2017 Fiscal Year Annual Research Report
外来化学療法を受けるがん患者を担当する看護師が行う就労支援モデルの開発
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15H05109
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山崎 恭子 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (70347251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 治一郎 北里大学, 医学部, 教授 (60419637)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん患者 / 外来化学療法 / 就労支援 / 就労の継続 / 外来化学療法看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、28年度に実施した外来化学療法を担当する看護師が日頃の看護の中で考えた患者が就労を継続するために必要と考える支援を参考に、患者が就労を継続するために影響している要因や支援ニーズについて横断的に実態を把握した。平成29年4月1日~平成30年3月31日の間、A大学病院の外来化学療法を受診したがん患者に各1回、就労の有無と就労実態に関する無記名自記式アンケートを行った。研究結果は4月末までに配布した患者431名(364名より回答:回収率84.5%)に関して第1回目の分析を行った。 がん診断時に就労していた者は206名(56.6%)であり、現在、就労をしている者と休職している者は132名(64.0%)、がん診断時に就労していたが退職した者は41名(19.9%)、退職後に再就職した者は3名(1.5%)であった。退職者が仕事を継続している患者より有意に高い割合で仕事に影響があるとされた要因は、慢性的な痛みがあること、通院時間を確保することが難しいこと、会社・職場の病気に対する理解不足、体力に応じた働き方をすることが難しいこと、職場での居づらさを感じること、会社から退職を指示されること、再雇用契約のとき、家族の意向があることであった。 がん患者が仕事を継続するうえで影響している要因は、身体面では痛みの有無が影響し、痛みがあることで仕事の継続に不安を感じていると考えられた。仕事を継続している者は職場の理解や体力に応じた働き方などへの配慮が推察できるが、退職したがん患者の職場環境では、がん治療患者への理解や配慮がされていない可能性があった。退職者の雇用形態が非正規雇用ということも影響していると考えられた。今後、緩和ケアの必要性や職場環境に関係する働き方への対応が、仕事の継続に影響を与える要因として多くあげられ、社会の理解がより一層必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に外来化学療法を受診している患者を対象に実施した調査が、研究計画で予定した対象人数に到達までに予定していた期間より大幅に遅れたため、患者調査をふまえ検討するはずであった全国の看護師を対象とした調査への着手が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
全総務省で定義されている大都市圏(札幌市・仙台市・さいたま市・千葉市・東京都区部・横浜市・川崎市・相模原市・新潟市・静岡市・浜松市・名古屋市・京都市・大阪市・堺市・神戸市・岡山市・広島市・北九州市・福岡市・熊本市)医療機関に従事する認定看護師(がん化学療法・がん性疼痛看護・がん放射線療法看護・乳がん看護)約2000人とがん専門看護師約200人に、がん患者が就労を継続するために実践している支援状況を質問紙調査にて把握する。 研究協力者であるがん専門看護師、看護部の教育担当看護師、外来化学療法部門の看護師とともに、平成28年度、29年度に実施した外来化学療法を担当する看護師と受診中のがん患者を対象に行った実態調査と統合しすべての看護師が実践可能な就労支援モデルを構築する。
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Research Products
(6 results)