2015 Fiscal Year Annual Research Report
Intergenerational impacts and resilience of transmigrant communities in the outer islands of Indonesia
Project/Area Number |
15H05124
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SINGER Jane 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (00570003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 知帆 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (80582022) [Withdrawn]
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
岡崎 健二 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90418682)
水野 啓 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (10260613)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インドネシア外島部 / 移住政策 / コミュニティ・レジリエンス / 生計維持戦略 / 自然災害 / ダム建設 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である平成27年度は、①事例調査実施地域の選定と第一次調査、および②インドネシアにおける移住政策の変遷と現状ならびに政策評価についての基礎情報収集を実施した。①に関し、2015年9月に2回(西スマトラ州、ジャンビ州および中部ジャワ州)、11月(西スマトラ州)、2016年2月(ジャンビ州および中部ジャワ州)の計4回の現地調査を実施して各地区における移住の経緯と世帯状況、作物生産や近隣コミュニティとの関係についての聞き取りを行い、1)西スマトラ州シティウン地区、2)ジャンビ州リンボブジャン地区、3)同クンペ地区、4)同スンガイバハル地区の計4ヵ所を精査地区として選定した。このうち1)において100軒の測量調査、71世帯の住居環境調査を実施し、また3)4)の2地区において調査票による世帯調査を実施してそれぞれ57件、55件の回答を得た。また、対象地区における多くの移住者の出身地である中部ジャワ州ウォノギリ県において、1970年代からのダム建設に伴う村落移転および外島移住の経緯について県移住局で聞き取り、資料収集を行うとともに、島外移住に参加せず域内移転を選択した住民コミュニティへの聞き取りを実施した。②に関しては、2016年2月にジャカルタの後進地域・移住省研究開発訓練部との会合を開き、同省における政策立案・実施状況と利用可能な各種データについての知見を得るとともに、今後の研究協力について協議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり、スマトラ島の複数のトランスミグラシ村落で予備調査を実施、移住の経緯や生業形態の異なる4地区を選択し、うち2地区について調査票による精査を開始するとともに、1地区において居住環境の実測調査に着手した。また、移住者の出身地であるジャワ島中部の村落において、ダム建設による移転が実施された当時の状況や、移住を選択せず近隣に残留した村民からの聞き取りを実施することができたため、移住世帯やコミュニティのレジリエンスをより多角的に評価するための知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、精査対象の残り2地区において聞き取りおよび調査票による現地調査を実施し、前年度調査実施地区と併せてデータ入力・分析を進める。その成果に基づき、コミュニティ・レジリエンスの観点から移住政策を評価するための指標群とその定量的・定性的評価手法の検討を進める。さらに、国および州レベルでの移住政策について、その基本方針や実施様態の変遷、プランテーション企業との連携等を精査し、インドネシアにおけるトランスミグラシの位置付けと地域、コミュニティへの影響を評価する。
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