2015 Fiscal Year Annual Research Report
中国・黄土高原における1940年代以降の土地被覆・土地利用・地形改変の復原研究
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15H05131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 廉也 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20293938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縄田 浩志 秋田大学, その他部局等, 教授 (30397848)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地理学 / 中国 / 黄土高原 / 土地利用 / 環境改変 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国・黄土高原は、20世紀以降、森林伐採・農地開発・放牧、さらには21世紀以降の造林プロジェクトによって大規模な土地改変を受けてきたことが知られているが、これらのプロセスの定量的な復原は、中国における過去の地理情報(地形図、空中写真、統計情報)の活用が大きく制限されるなかで、不明なままであった。本研究は、黄土高原の村落調査によって土地改変の歴史と要因を具体的に明らかにするとともに、近年公開されたアメリカ合衆国の公文書館が所蔵する1940年代~60年代の高解像度空中写真を用いて微地形レベルの地形復原、土地被覆・土地利用復原をおこない、これに80年代以降の衛星データ解析をあわせ、1940年代から現在までの環境改変の歴史を定量的に明らかにしようとするものである。 初年度である今年度は、まず5月にキックオフミーティングをおこなって全体計画を検討した後、既に入手済みの地理資料(U2空中写真および衛生画像)を判読し、インテンシブな分析をおこなう地域の選定をおこなった。結果、U2空中写真でもとくに鮮明な写真が得られる黄河中流域の陝西省・延川県東部を集中的に調査・分析することに決定した。12月には現地調査をおこない、対象地域の集落を訪問し、20世紀中期以降の土地利用の変遷について取材をおこなうとともに、現在の土地利用について調査を実施した。帰国後には対象地域の高解像度衛星画像を購入し、GISで衛星画像とU2写真の位置情報付与とオルソ化などをすすめた。これらの研究の進展状況はモスクワで実施された国際学会(IGUモスクワ会議)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたアーカイブ調査、中国における村落調査のうち、前者は既存の写真の判読と分析を優先させたためにアメリカ合衆国での調査はおこなわなかったが、既存の写真の整理の結果、現地調査における着目点を特定することができ村落調査は予想以上の成果を得ることができた。GISと写真測量システムの導入も予定通りにすすみ、おおむね順調な進展と評価することができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、当初の予定通り進める。とくに写真の分析についてはGISシステムの準備が整ったので、優先的にすすめるつもりである。
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Research Products
(6 results)