2016 Fiscal Year Annual Research Report
あらたな創薬資源の採集調査と成分解析及び遺伝資源バンクの構築
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15H05138
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森田 洋行 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (20416663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 卓也 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (90517484)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物活性 / 植物 / 海綿 / 放線菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシア産フトモモ科植物Baeckea frutescensの抽出エキスから新規8種を含む計12種類の化合物の単離・構造決定に成功し、baeckenone JとKがヒト膵がん細胞PSN-1とヒト肺胞基底上皮腺がん細胞A549に対して細胞増殖抑制活性を有すること、及びfrutescencenone Aがこれらのがん細胞に加え、ヒト乳がん細胞MDA-MB-231に対して細胞増殖抑制活性を示すことを明らかにした。さらにインドネシア産マメ科植物Glycyrrhiza glabraのメタノール抽出エキスに真正細菌の細胞増殖に必須な蛋白質、フィラメント状温度感受性変異株Z(FtsZ)阻害活性のあることを見いだし、その成分であるgancaonin I、glycyrin、及びisolicoflavanolがFtsZに対して非競合的阻害活性を示すことを明らかにした。 一方、ミャンマー産ニガキ科植物Picrasma javanicaの樹皮抽出エキスから単離した18種類のクアシノイドのVprに対する阻害活性を評価した結果、javanicin Iがコントロールとしたdamnacanthalと同等のVpr阻害活性を示すこと、及びjavanicins B、picrajavanicin C、picrajavanicin Dが比較的強いVpr阻害活性を示すことを明らかにした。 さらに、ベトナム産海綿Spongia sp.から新規2種を含む計9種類の化合物を単離し、2種の新規化合物がStaphylococcus aureusとBacillus subtilisに対して比較的強い抗菌活性を示すことを明らかにした。また、ベトナム産アカネ科植物Hedyotis piluliferaとアカテツ科植物Sarcosperma affinis Gagbep全草のメタノール抽出エキスに抗菌活性のあることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、インドネシア、ベトナム、及びミャンマーにおける植物・海綿・放線菌の採集調査と化学成分の解析及び採集した遺伝子の保存を達成目標としていた。今年度において、これらの地域の一部の植物・海綿・放線菌の採集と遺伝子を保存することができた。また、採集した放線菌からの生物活性化合物の単離までには至っていないものの、採集した数種の植物と海綿から生物活性化合物の単離・構造決定に至っていることから、総合的に考えて、概ね計画通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度において採集した植物・海綿・放線菌からの生物活性化合物の単離・構造決定を引き続き進める。また、引き続き、インドネシア、ベトナム、ミャンマーの植物・海綿・放線菌の採集調査を進め、生物活性化合物の単離及びそれらの遺伝子の保存を行い、創薬シードとして有望な化合物を取得することを目指す。
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Research Products
(26 results)