2015 Fiscal Year Annual Research Report
個の自立と新たな凝集力の中で変貌する現代華北農村社会システムに関する史的研究
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15H05161
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祁 建民 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (70448819)
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90269572)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 農村の集団化 / 共同性 / 共同体 / 水利灌漑 / 環境ガバナンス / 村民自治 / 同族結合 / 水神信仰 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、本研究の目的は、都市と農村との格差が拡大している中国農村の実態を、農民自身へのインタビュー調査をもとに、歴史的に明らかにすることにより、習近平政権が進める農村の「都市化」の現状を明らかにして、個別化と共同性のはざまで新たな凝集力を求める現代華北農村社会のシステムに関する史的検討を行うことである。 2、そこで本年度は、9月に2週間にわたって、北京の中国農業大学および中国社会科学院経済研究所での日本語文献資料の調査を行った。 3、さらに河北大学歴史学院の協力のもとに河北省保定市東部の王各荘村で農村調査を実施し、山西大学中国社会史研究センターの協力のもとに山西省中部の霊石県溝峪灘村と霍州市義旺村で農村調査を実施した。 4、研究期間の初年度なので、メンバーを5月に東京に集合させ、研究会を開催し、本研究の目的および全体計画と各自の役割分担を決定した。 5、また主な研究項目を、①農業生産と市場関係に関して農家経営における食糧生産と副業、②都市近郊農村における野菜栽培と販売ルートの相関関係、③中国国内での野菜栽培市場と有機農業の関係、④村内外における同族関係と地縁系都合の関係、⑤農民の宗教活動と精神的世界観の変化、⑥農村における人口抑制政策と女性の社会進出の関係⑦水利灌漑システムと給水・排水関係、⑧水源施設と水神信仰の関係、⑨水利灌漑施設の建設と農村工業の関係等に絞って研究した。 6、調査結果の検討と次年度以降の研究計画について3月に資料調査を兼ねて金沢大学にメンバーが集合し研究会を開催して検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
河北省での調査は河北大学歴史学院の協力を得て、初めて王各荘村での調査を実現できた。また山西省での調査は、山西大学中国社会史研究センターの協力を得て、かねてから定点観測を実施してきた溝峪灘村および義旺村で当初の予定通りの調査をすることができた。さらに北京の研究機関での日本語資料も収集も予定通り収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
中国側研究機関の研究協力者の援助のもとに今後も基本的には当初の予定通りに調査ができる見通しを持てた。
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Research Products
(26 results)