2017 Fiscal Year Annual Research Report
個の自立と新たな凝集力の中で変貌する現代華北農村社会システムに関する史的研究
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15H05161
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祁 建民 長崎県立大学, 国際社会学部, 教授 (70448819)
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90269572)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 農村の集団化 / 共同性 / 共同体 / 水利灌漑 / 環境ガバナンス / 村民自治 / 同族結合 / 水神信仰 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、本研究の目的は、都市との社会的格差が拡大している中国農村の実態を、農民へのインタビューと収集した文献資料をもとに、歴史的に明らかにすることにより、習近平政権が進める農村の「都市化」の現状を明らかにし、個別化と共同性のはざまの中で新たな凝集力を求める現代華北農村社会のシステムに関する史的検討を行うことである。 2、本年度は、2017年5月に上海図書館で、9月に北京の中国農業大学および中国社会科学院経済研究所、さらに天津の南開大学で日本語文献調査を行った。 3、2017年5月に無錫市政府の協力のもとに、すでに「都市化」が進行している無錫市遠郊での農村調査を実施した。さらに9月に山西大学外国語学院の協力の基に、本科研研究での定点調査地域となっている晋中市霊石県溝峪灘村と淑中村で調査をした。さらに霍州市水利局の協力のもとに、やはり定点調査地域の山西省中部山間部に位置する義旺村で、農村調査を実施し複数の幹部と古老から、近年の水利関係に関する社会的変容に関する証言を得た。また調査村の義旺村が近隣の村々と共同で実施する水利関係の行事について、2018年4月に来村して参観するように要請された。それだけ調査地域の農村との関係が良好であることの証左と判断した。 4、メンバーを2017年5月に東京に、2018年2月に金沢に集合させ、研究会を開催し、本計画の目的および全体計画と、各自の役割分担を決定し、さらに検討を重ねた。そして、2018年3月に、調査結果の検討と、次年度以降の研究計画について、資料調査を兼ねて東洋文庫に全員が集合し、研究成果の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山西省での調査では、山西大学外国語学院および霍州市水利局の協力を得て、かねてから定点観測してきた溝峪灘村および義旺村で当初の予定通りに調査することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
中国側研究機関の研究協力者の援助のもとに今後も基本的に当初の予定通りに調査ができる見通しを持てた。
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Research Products
(21 results)