2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05172
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐野 賢治 神奈川大学, 経済学部, 教授 (90131127)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日系移民 / ブラジル / 建築 / 民俗 / サンパウロ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究事業開始年度にあたり共同研究者間での役割分担および調査活動の展望について周知をはかった。そのうえで実質的な調査活動の第一段階を開始した。具体的には、年度内に2回の研究会(6月6日、7月25日)を開催し、それぞれブラジル日系社会の特定分野の専門家の研究発表によりメンバーの知見を深めた。国内での調査活動は、(1)国会図書館憲政資料室所蔵の南米移民資料から調査予定地レジストロ市の基礎資料を複写にて収集、(2)八丈島からレジストロ市への移民家族の調査のために同島の縁者にインタビュー調査、(3)レジストロ市での移民家屋調査へむけた準備の参考にするために、愛知県明治村に移築されているレジストロ移民家屋を見学、また、(4)関東圏以外に在住のメンバーは研究会の前後に国会図書館および海外移住資料館(横浜)にて文献資料探索をおこなった。海外での調査活動は、協力者を含めて8名による調査チームが2月下旬から1週間にわたりブラジル国サンパウロ州に赴いた。そのうち建築班は残存移民家屋を巡検し、適切なサンプルを選択し内部構造を含めた計測作業をすすめた。一方の民俗班は高齢者かららの聞き取りをすすめ、そこに言及される事項(地名や影響力のあった故人)の確認をすすめた。レジストロ市に加え、隣接するドイツ人入植地にも赴いて、比較参考のための情報を収集した。一人のメンバーは引き続きサンパウロ市街およびロサンジェルス移民地区にて比較研究のための資料収集をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブラジルでの本格的な現地調査を開始できたから。とくに現地での積極的な協力が得られ、現地の自治体からも本研究に強い関心が示されたことは今後の進捗に大きな助けとなると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度収取の資料の分析をすすめつつ、研究会の回数を増やし相互の情報交換を活発にする。現地の状況の理解が深まったため、問題が具体的に絞られつつあることを鑑み、専門家からの情報収集をより積極的におこなう。前年度に現地調査をおこわなかったメンバーを中心に新たな調査チームを組みブラジルに赴いて第二段となる調査をおこなう。11月初旬の年中行事の前後が有力な候補日程である。
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Research Products
(1 results)