2017 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05172
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐野 賢治 神奈川大学, 経済学部, 教授 (90131127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 青蔵 神奈川大学, 工学部, 教授 (30277686)
泉水 英計 神奈川大学, 経営学部, 教授 (20409973)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民俗学 / ブラジル / 移民 / 日系 |
Outline of Annual Research Achievements |
当年度におこなわれた研究活動は、昨年度から引き続き現地調査を主軸にした情報収集と研究会での情報交換であった。 まず、共同研究参加者のブラジル現地調査として、サンパウロ州レジストロ植民地内での旧日本人小学校「同窓会」の参与観察、レジストロ市内での日系人墓地の空撮による平面図作成と墓標の調査、レジストロ本願寺の主導する葬送慣行および他宗派(生長の家、天理教、聖公会)の宗教慣行についての聞き書き調査、ブラジル力行会百周年記念行事の参与観察とサンパウロ州アリアンサ植民地での聞き書き調査がおこなわれた。 つぎに、国内の調査として、愛知県犬山市の明治村内ブラジル移民住宅の補修作業にともなう建築学上の調査と、神戸市の竹中大工道具館での工具調査がおこなわれた。 収集した資料の分析は各調査者が適時すすめたが、ある程度まとまった資料として、昨年度にサンパウロ公文書館で収集したポルトガル語文献の日本語への翻訳作業をすすめた。 研究会ではレジストロからの講演者を立て一般に公開形式で2回おこなった。一つ目は、レジストロ日伯文化協会会長・福沢一興氏の来日の機会に合わせ「サンパウロ州イグアッペ植民地の成立―日本移民はどのようにブラジルでの暮らしを築いたのか」という発表であった。二つ目は、Instituto Campos Registroの建築学者・肱岡明美氏を招聘した「MINKA―リベイラ沿岸の日本人移民の家屋」を基調講演とし、共同研究参加者による調査報告2本(「レジストロ移民住宅調査の概要と移民住宅の特徴」、「現地調査にみ日本人移民住宅の架構形状」)をあわせて情報交換をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に実施できなかった分もあわせてブラジル現地調査を実施できたが、昨年度からの継続調査予定については一部で日程調整ができなかった。一方で、ブラジルからの招聘による成果発表は最終年度に集中する予定であったが、一部前倒しで実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年12月にブラジルからの招聘者を交え、本共同研究の最終報告会として公開研究会を開催する予定である。同時進行で各参加者はこれまで収集した資料をもとに本共同研究における成果を論文形式でまとめ、雑誌『比較民俗研究』33号(平成30年度末刊行)に特集号として掲載する。これらとは別に、各参加者は適時、それぞれの所属学会等での成果発表をおこなう。
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Research Products
(5 results)