2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05188
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上野 加代子 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 教授 (50213377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際退職移動 / 介護 / ケア / 支援活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本から東南アジアに移動した退職者の介護の部分に着目することが目的である。具体的には、東南アジアに移動した退職高齢者の心身の健康状態レベルが低下する段階に焦点を当て、(1)帰国に向かわせる移住先の物価高騰や為替の変動、(2)海外での医療保険制度や高齢者施設や在宅介護の問題といった構造的要因、(3)再移動を促進する要因と阻止する要因を明らかにする。 本研究の目的に照らして、今年度は在チェンマイ邦人団体と共催し、タイ・チェンマイにて「日本の高齢者介護はどうなるのか―政策と展望」というタイトルで講演会を行い、退職者の生活や医療ニーズの聞き取りを実施した(2015年8月21日午後3時~4時30分、チェンマイYMCA1階ホ-ル、講師は大西美智恵)。 チェンマイ在住の退職移動者の現状と将来の計画についてインタビュー調査を行い、活動レベルが低下した退職移動者の医療、介護、日常生活の課題を具体的に明らかにした。なお、類似の問題関心にもとづき、すでに大使館や病院と連携して在北タイの在留高齢者の支援活動している英語話者のボランティア団体とも意見交換を行い、今後の邦人高齢者団体の活動の在り方について、現地の諸団体と共同したアクションリサーチを模索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、この科研の予備調査で行った質問紙の分析を行い、さらにインタビュー調査を付け加えていった。データの集中は順調に開始することができたが、学会報告や論文といったアウトプットに着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究を、ふたつのディシプリンに位置づける。ひとつは、公衆衛生看護学や地域看護学の離島や過疎地の高齢者の健康・介護である。もうひとつは、批判老年学Critical Gerontology、高齢者の社会学Sociology of aging の研究の系譜である。来年度は質問紙調査を行い、学会報告や論文などのアウトプットを出していく予定である。
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Research Products
(1 results)