2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05188
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上野 加代子 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 教授 (50213377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際退職移動 / 介護 / タイ / ケア・ドレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際退職移動と介護の研究テーマにそって、2016年度は引き続き退職者や海外の介護施設(タイのチェンマイとバンコク)、移住高齢者支援団体(タイのチェンマイとバンコク)で調査を行い、そして本科研のこれまでの調査をもとに、主には以下の報告を行った。 2016年11月12日の立命館大学先端総合学術研究のワークショップ「トランス・ナショナルな高齢者介護――本とASEANの事例から」では「日本から東南アジアへの退職移動」(上野加代子)に加えて、本科研の研究協力者である廣瀬豊邦氏が「フィリピン人介護士の現状」を報告した。 次に2016年12月10日には、タイ・チェンマイで「チェンマイで終活を考える」シンポジウム」を共催し、大西美智恵が司会を、廣瀬豊邦氏が「フィリピン人介護士の現状」を発表した。(以上、「上野加代子研究室ホームページ」HP参照) なおこのチェンマイの就活を考えるシンポジウムの参加者に対して、質問票調査を実施し、92票(男性71票、女性21票)を回収した。この質問票調査に基づき、2017年1月21日に公衆衛生看護学会で「日本人の介護ニーズ」(大西美智恵・上野加代子)の報告を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主に、チェンマイで質問票調査、インタビューを行ってきた。本科研のシンポジウムは2017年の予定であったが、2016年に催することができた。データ収集と報告に関しては、予定どおり、あるいは予定以上に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
退職者の国内移動をみていくことで、国際移動の特徴をより際立たせていく。そのスタートとして、2017年5月に第15回福祉社会学会において、テーマセッション「退職移動-健康、介護、そして労働をめぐって-」で国際移動と国内移動の比較セッションを企画した。具体的には、「退職移動と健康維持-国際退職移動者のトラジェクトリー」(大西美智恵・上野加代子)、「 島根県・西ノ島町シルバーアルカディア事業 ―再訪」(辻京子・上野加代子)、「退職移動-介護と労働」(上野加代子・辻京子)の3報告を立てた。さらに今後は、いわゆるラスレットのいう「黄金の第三エイジ」が、社会政策をはじめとした構造的要因(年金、退職、医療、介護政策)によって、第二エイジ(就労期)と第四エイジ(依存期)のはざまで収縮、そして変形させられていることをみていく。
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Research Products
(3 results)