2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本の緊急災害報道の課題を探る~ハリケーンやテロ報道とマルチメディア化の教訓から
Project/Area Number |
15H05191
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
奥村 信幸 武蔵大学, 社会学部, 教授 (00411140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 香里 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40292784)
五十嵐 浩司 大妻女子大学, 文学部, 教授 (50634630)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ジャーナリズム / 災害報道 / 原子力報道 / テロ報道 / マルチメディア / 安全安心報道 / 福島第一原発 |
Outline of Annual Research Achievements |
・ハリケーン・カトリーナの報道がいかに検証されたのか、また緊急避難を促したり、避難先での安全を確保するため、報道機関がいかなる改革を行ってきたのか、ルイジアナ州ニューオーリンズと周辺で調査を実施した。ウェブによる情報発信を充実させたタイムズ・ピキュン紙の元幹部、その後復興の資金の使われ方の不正などを暴く調査報道を充実させたウェブメディアのザ・レンズ、限られたスタッフ数で今後の報道を模索中のラジオ局WWNOの担当者らから、市当局の混乱ぶりの中で民間の情報源をいかに活用するか、またソーシャルメディアが発達した中で、ツイッターなどから情報を吸収していく重要性などについて知見を得た。(2015年8月)また、自然災害・テロや紛争についての緊急避難報道などを行うための記者教育のあり方やノウハウなどについて、ニューヨークタイムズ・AP通信にインタビュー調査を実施した。(2016年1月) ・ミズーリー大学ジャーナリズム大学院との交流をスタート、レジリエンスを高める報道のあり方などについて意見交換を定期的に行うことになった(2016年3月)。また、アメリカン・プレス研究所と意見交換を行い、新聞社が、いかにウェブファーストの考え方に転換し、速報など災害などにも即応できる態勢を整備していくのかなどについての知見を得た。(2015年8月) ・災害報道にも応用できる新しいテクノロジー(ウェアラブルカメラ、VR、360°、ドローン等)の動向とデベロッパの関心と進捗状況、ソーシャルメディアによる取材及び発信とユーザーとの関係構築についての動向調査のため、ONA(Online News Association)16(於米国デンバー)に参加、意見交換を行った(2016年9月)。 ・東日本大震災における復興報道の課題及び地域のレジリエンスを高める報道のあり方について調査のため、宮城県仙台市、石巻市にて調査を実施(2016年11月、2017年2月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・緊急災害報道における当局との連携や、ソーシャルメディアなどを活用した一般からの情報収集や検証についての調査はかなり進行した。 ・米国の、テレビ(特にCNNなどの24時間報道を行うケーブルテレビ)の災害報道の実践についてのヒアリング機会を確保できなかった。 ・テロや紛争における取材や安全情報の提供という自然災害に準ずる緊急報道の形態について、FEMA(米連邦緊急事態庁)周辺などの調査を十分に実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
・ソーシャルメディアを活用した情報収集と検証、情報発信とユーザーとの双方向コミュニケーションのあり方などについて、米英のメディアに調査とヒアリングを行い、特に災害時や紛争などの事態に安全確保のための緊急報道を行ううえでの知見を得る。 ・自然災害の避難報道など緊急災害時などに活用できる新しいテクノロジーについて、FBなどのプラットフォーム、ニューヨークタイムズやCNNなどの伝統的なメディア、アプリケーションなどのデベロッパが一同に会するオンライン・ニュース・アソシエーションへの参加を目指し、日本国内からも参加実績のある企業へのアプローチを行う。
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