2016 Fiscal Year Annual Research Report
日本の緊急災害報道の課題を探る~ハリケーンやテロ報道とマルチメディア化の教訓から
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15H05191
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
奥村 信幸 武蔵大学, 社会学部, 教授 (00411140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 香里 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (40292784)
五十嵐 浩司 大妻女子大学, 文学部, 教授 (50634630)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ジャーナリズム / 緊急災害報道 / 避難報道 / 安全安心報道 / 原子力災害報道 / レジリエンス / ソーシャルメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
・International Symposium on Online Journalism(於米国テキサス州オースティン)にて災害時やリスクコミュニケーションの際のオンライン・ジャーナリズムの役割と倫理問題について学び、討論に参加した。(2016年4月) ・災害報道のあり方についての日米比較と考察を踏まえ、東日本大震災における日本の緊急災害報道(特に津波の避難報道、広大な津波被災地における情報伝達)の検証、及び福島第一原発の災害における情報収集と評価の困難さと権力監視のジャーナリズムの問題点、復興報道における課題等について、IAMCR(International Association for Media and Communication Research 於英国レスター市)のCrisis Communicationの分科会において学会発表を行った(2016年7月)。 ・英国放送協会(BBC)のニュースにおけるソーシャルメディアの活用及びUGC(ユーザー発のコンテンツ)の導入、災害現場やテロ紛争などの取材を行う上でのジャーナリスト教育などについてインタビュー調査を行った(2016年12月)。 ・地域の災害レジリエンスを高めるための報道の課題について、ミズーリ-大学ジャーナリズム大学院にて日本の事例を報告、意見交換を行った(2017年3月)。 ・ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジにて・元新聞記者の教員らに英国の災害報道の状況について聞いた。専門家養成のための十分な財政基盤が揺らいでいることが一番の課題だと指摘。BBC記者の紹介を得るも、日程調整ができず調査を持ち越した(2017年2月)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・平成28年度の研究計画はほぼ達成することができた。 ・米国のテレビにおける災害報道の現状と課題については引き続き情報収集が必要である。 ・英国BBCにおける記者教育については、BBCアカデミーが提供する記者教育プログラムについて引き続き情報収集が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
・ソーシャルメディアなどによる情報収集やウェブ・ファーストへの大幅なシフトによる情報の伝達やユーザーとのコミュニケーションの課題について、変化のスピードは非常に速く、ONAやSXSW(South By South West)等テクノロジーに関する学会及び業界ミートアップイベントへの調査及び関係者との接触を継続する。 ・BBCのアカデミーによる災害報道、テロ紛争報道のジャーナリスト教育プログラムについてさらに情報収集を行い、日本のメディアの今後の備えとしてのジャーナリスト育成の課題について知見を得る。 ・東日本大震災、福島原発事故、及び復興報道における日本のニュースメディアの問題点や課題についての検証を積極的に内外に発信し、国際比較の視点を得る。 ・学会発表論文を加筆修正し、英文ジャーナル投稿をめざす。
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Research Products
(1 results)