2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05196
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
北村 嘉恵 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20322779)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 台湾 / 東アジア / 欧米宣教師 / 先住民 / 教化 / 近代史 / データベース |
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| Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる本年度は、東アジアにおける欧米宣教団の活動に関する文献やオンラインカタログを活用し関連資料の仮目録を作成したうえで、米国および台湾にて資料整理を進めた。調査の概要は以下のとおり。
・カナダ長老教会を通じて台湾へ派遣されたアメリカ人宣教師に関して、ウィートン大学ビリー・グラハムセンターの所蔵する個人文書の調査を行った。また、米国国立文書館にて駐台アメリカ領事館関連資料を中心に閲覧・複写を行った。
・台南市近郊の教会が所蔵する資料の閲覧許可が得られたため、まず全体的な概要調査を行った。あわせて、19世紀から20世紀前半に当該地域に存在した教化施設に関するフィールド調査および資料調査を行った。一方、当該地域出身の台湾人キリスト者について中央研究院台湾史研究所のデータベース等を利用して調査を行った。また、台湾図書館、台湾大学附属図書館等にて、当該地域および台湾南部の教会・教化施策に関する新聞・雑誌記事等の調査収集を行った。
収集した資料は可能な限りデジタル化し、悉皆的な資料目録の作成、重要資料のテキストデータ化を進めた。これと並行して資料の読解を進め、宣教師の悉皆的なリストをベースとして個人・地域のデータ蓄積を図りつつある。進行中の調査研究に関し「新しい民衆史」をめざす地域横断的な研究会で報告を行うとともに、収集資料のうち公開許可の得られた学校文書について全文の翻刻を行い解題を付して公刊の準備を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた米国および台湾での調査は、おおむね予定通り実施することができた。
このうち、ウィートン大学ビリー・グラハムセンター所蔵資料に関しては、予備調査で作成していた資料目録と現物との齟齬が大きく、両者の照合およびデータの整序に予想外の時間を要することとなった。ただし、宣教師夫妻の台湾派遣の決定に至る時期の資料の存在を確認することができたことは、想定外の重要な収穫であった。
台湾での調査は、台南市近郊の基督長老教会所蔵の史料の閲覧許可が得られ、加えて、地元の文化・歴史研究者との協同関係を結ぶことができたことから、当面の調査の重点を同地域に設定することとした。同地域の教化施設に調査対象を広げることにより、当該地域における宣教活動や教会を通じた教化活動を多面的に検証するための基盤が形成される見通しである。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度に予定していた米国長老教会歴史協会（ペンシルベニア州）での調査は、時間的な制約により実現に至らなかった。東アジアでの宣教地域や人材の配分をめぐるアメリカ、イギリス、カナダの諸教会・教派間の関係性を検証するうえで重要なアーカイブズのひとつであるため、三年目に予定しているカナダでの調査の日程に盛り込む可能性を検討したい。
男性の欧米宣教師に関しては関連資料の蓄積が比較的順調に進捗しているのに対して、女性の宣教師（教師、看護師を含む）および台湾の牧師・伝道師・信徒、とりわけ台湾先住民に関してはごく断片的な資料の確認にとどまっている。基礎的な事実確認になお時間を要する見込みであることから、次年度も引き続きできるだけ幅広い調査を継続し、3年目以降に向けて重点的な人物ないし地域を見定めていく。当初はミッションスクールに重点をおいた調査を予定していたが、地域の教会所蔵の史料を積極的に視野にいれていくこととする。
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Research Products
(1 results)
