2015 Fiscal Year Annual Research Report
内陸地震の発生過程の解明-ニュージーランド南島北部における稠密地震観測による-
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15H05206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯尾 能久 京都大学, 防災研究所, 教授 (50159547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 知己 東北大学, 理学研究科, 准教授 (30281968)
松本 聡 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40221593)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内陸地震 / 水 / ニュージーランド / 断層 / 観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
クライストチャーチ地域を含むニュージーランド南島北部の48カ所において地震観測を継続して、データを蓄積することができた。さらに、アクセスが困難なため観測の空白域であった、南島の北西端、Farewell岬周辺の3カ所に新たに観測点を設置した。 これまで得られた地震データをニュージーランドの定常地震観測網であるGeoNetデータと統合して解析を行い、詳細な震源分布、メカニズム解、地震波速度・トモグラフィーを行った。その結果、地殻浅部においては、アルパイン-ワイラル断層の西側の逆断層地域であるマーチソン盆地周辺において低速度域が盆地の走向に沿って南北に伸びていること、アルパイン-ワイラル断層の東側の横ずれ断層地域であるマールボロ地域においては低速度域が北島の東海岸に沿っていることが推定された。地殻深部においては、浅い地震活動がある地域の深部に低速度異常域が見出された。 平成27年12月に、使用していた地震計13台に不測の故障が生じたため、急遽地震計の修理・調整が必要となり、地震観測及び解析に遅延が生じた。繰り越すことにより予定されていた成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨時観測点は順調に稼働しており、詳細な震源分布、メカニズム解、地震波速度・トモグラフィーのためのデータが蓄積されている。このデータを用いた解析も進んでおり、期待されていた結果が得られ始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
観測に用いている機器の状態を的確に把握して、不測の事態が起こらないように留意する。今後もデータの蓄積を計るとともに、得られたデータの解析を進め、研究目的の達成を計る。
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