2015 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における腐食環境調査と鋼構造施設の維持管理戦略
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15H05216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 邦征 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70216307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 武嗣 関東学院大学, 理工学部, 教授 (00331992)
八木 知己 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30293905)
橋本 国太郎 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40467452)
鈴木 康夫 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50431698)
西崎 到 国立研究開発法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (80355792)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腐食 / 鋼材 / 温湿度 / 飛来塩分 / 橋梁 / 東南アジア / ミヤンマー / 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学が独自に支援した過去の準備調査では,腐食環境調査および腐食減耗量調査を行う地域を精査し,東アジアでは,日本の京都,沖縄,小笠原諸島,および中国の上海,東南アジアでは,タイのバンコク,マレーシアのクアラルンプール,ミャンマー,シンガポールおよびインドネシアのジャカルタ,南アジアではインドのムンバイ,そして東アフリカではケニアのモンバサを選定し,順次曝露試験を開始してきた. このような状況を踏まえ,特に,今後の社会インフラ整備が進められるミヤンマーを対象に,アジアハイウェイネットワークのインド洋側の起点でもあるモーラミャインを取り上げ,初年度は,現地へ赴き,ワッペン試験片などの長期暴露試験片を架台に設置するとともに腐食環境因子測定用の気象観測装置を設置した. ここでは,腐食環境を評価するため,濡れ時間を予測する温湿度測定,飛来塩分量測定を開始した.温湿度測定は温湿度ロガーを用い,1時間ごとに計測を実施している.飛来塩分量測定はガーゼ法を用いており,外枠(木製もしくはステンレス製)に挟まれているガーゼを大気中に曝露し付着する塩分を測定するもので,測定間隔は1ヶ月とし,最低12ヶ月間測定する予定である.ガーゼ法では,垂直曝露と水平曝露の2通りがあるが,本研究では,基本的に垂直曝露で測定を開始した.なお,現地の共同研究者として,各地の工科大学の教員と連携して,モニタリングを実施ている. なお,これまで収集した短期間の曝露試験の結果から,必ずしも熱帯モンスーン地域(南アジアなど)が腐食環境として厳しいものではなく,温暖な上海において腐食の進行が著しい地域もあり,現在,このような結果の違いを各気象因子を分析し,評価を進めている所である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
曝露試験実施地域,気象観測地域を拡大し,各気象条件での腐食の進行を把握できつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は大気曝露試験結果などに基づき影響の強い腐食因子の抽出を行うとともに,室内での腐食促進試験での抽出因子の妥当性検証を踏まえ,鋼構造物の腐食損傷の発生経緯,劣化性状を把握し,それらの維持管理につなげていく.
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Research Products
(6 results)