2016 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における腐食環境調査と鋼構造施設の維持管理戦略
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15H05216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 邦征 京都大学, 工学研究科, 教授 (70216307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 武嗣 関東学院大学, 理工学部, 教授 (00331992)
八木 知己 京都大学, 工学研究科, 教授 (30293905)
橋本 国太郎 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (40467452)
鈴木 康夫 京都大学, 工学研究科, 助教 (50431698)
西崎 到 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 研究員(移行) (80355792)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鋼材 / 腐食 / 温湿度 / 飛来塩分 / 橋梁 / 東南アジア / 維持管理 / 促進試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
鋼材の腐食減耗量調査のため,雨ががりのある大気曝露試験とワッペン試験を行ってきた.大気曝露試験は,150mm×70mm×9mmの試験を雨ががりのある架台に設置することで,ワッペン試験は,50mm×50mm×t2mm の鋼板を両面テープなどで軒下など雨のかからない既設の構造物表面に貼付して,曝露し,腐食量を評価するものである.通常,腐食減耗予測式で必要な初年度腐食量を得るために,1年間の曝露を実施するのが一般的であるが,将来予測のため,1年,3 年,5 年程度の期間を定めて実施している.本研究では,研究期間が3年間であるが,1年間の曝露試験結果を評価するとともに,塗装鋼板に対して,塗膜の光沢度,硬度を継時的に計測している. 気象条件としては,原則,曝露試験周辺の温湿度の経時変化を計測するとともに,重要と思われる地点(今後の発展性を考えて,ミヤンマー)では,温湿度・風向・風速・日射量・UV量・雨量の気象観測を行っている.さらに,東南アジアの地域で沿岸に近い所,都市内での大気汚染に課題がある地域では,飛来塩分の測定のためガーゼを雨のかからない状態で設置し,月毎に分析し,同時に,硫黄酸化物の評価のために二酸化鉛円筒を雨のかからない状態で設置し,同じく月毎の分析を行った. 結果として,1年間の腐食量を比較すると,日本・中国などの東アジアと比べても比較的腐食減耗量が少なく,また,東南アジアの各国でも腐食環境は大きく異なることが分かった.特に,日常的なスコール等で,周辺気中の腐食促進物質が洗い流される環境では,腐食が著しく進行しないことが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年曝露試験結果がそろい,東南アジア諸国での気象条件と飛来塩分,硫黄酸化物などの腐食促進物質の評価も併せて,腐食環境の特徴を抽出することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
3年曝露試験結果の一部が揃うこととなり,ある程度の信頼度を持って将来予測が可能となり,維持管理法に関する提言を取りまとめる予定である.また,詳細な気象条件と比較して,室内での複合サイクル試験による促進試験を実施することでそれらの結果を比較し,腐食因子の影響についてさらに考察を行う予定である.
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Research Products
(5 results)