2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the optimal operation method of dam reservoirs according to national situation in the Chao Phraya River basin, Thailand
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15H05222
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
手計 太一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (70391620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 修一 富山県立大学, 工学部, 准教授 (00646995)
宮本 守 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(水災害・リスクマネジメント国際センター), 研究員 (80391621)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SST / 海水面温度 / 貯水池操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では,タイ国チャオプラヤー川流域を対象として,海面水温から大規模ダム貯水池(Bhumibolダム貯水池,Sirikitダム貯水池) の流入量を予測する手法の開発を目的として,Bhumibolダム貯水池,Sirikitダム貯水池の2つの大規模貯水池が運用を開始してから2014年12月までの流入量, 降水量を基に,インド洋, 太平洋の海面水温を考慮した流入量予測を試みた。 海面水温データは,55年長期再解析(JRA55)データである. 1964~2014年までのIOBW(南緯20 度-北緯20 度,東経40 度-東経100 度),NINO.WEST(北緯15 度-赤道,東経130 度-東経150 度),NINO.3(北緯5 度-南緯5 度,西経150 度-西経90 度)NINO.4(北緯5 度-南緯5 度,西経90 度-西経40 度),NINO.34(北緯5 度-南緯5 度,西経120 度-西経70 度)の5地点の範囲の月平均海面水温の領域平均を用いた.Bhumibolダムは,1964年6月~2004年12 月,Sirikitダムは,1974年1月~2004年12 月(学習期間)の5地点(IOBW, NINO.WEST, NINO.3, NINO.4, NINO.34)の月海面水温を説明変数,流入量を目的変数として,重回帰分析を行ったところ以下の事が明らかになった. 予測の精度を上げるために,エルニーニョ現象期間抜き・ラニーニャ現象期間抜きの場合,NINO.3とNINO.4と月降雨量のみ場合, 海面水温5地点と降雨のうち,NINO34を抜いた場合,NINO.3とNINO.4とNINO.WESTと月降雨量のみ場合でそれぞれ重回帰分析を行った.その結果,●Bhumibolダムにおける,重回帰式の計算値と実測値の相関で最も強かった条件は,学習期間の場合は5地点と降雨量説明変数とした時,試験期間はNINO.3 ,NINO.4, NINO.WEST 降雨量を説明変数とした時であった. ●Bhumibolダムにおける,月流入量が80 mmを上回る年のみの重回帰式の計算値は実測値が80 mmを超える値の時,80 mmを上回る値があるが,実測値が100 mmを上回る時,重回帰式の計算値では100 mmを上回ることができなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、シンプルな方法であっても非常に精度よく流入量を予測することができるようになってきている。同時に開発中の貯水池操作を含んだ河川―流域モデルについても一定のめどが立っており、概ね順調に進展していると評価できる。 一方、河川横断データがまだそろっておらず、最終年度にさらに計測調査も必要になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度として、ゲート操作など実務に資するようにモデル開発をする予定である。河川―流域モデルと、貯水池運用法のカップリングと、河川横断面データのさらなる計測を実施する。
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Research Products
(4 results)