2015 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア地熱発電計画への住民合意円滑化のための情報周知戦略の構築と現地調査
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15H05228
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 史武 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00414376)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インドネシア / 地熱発電 / 住民合意 / 情報源 / 理解度 |
Outline of Annual Research Achievements |
地熱発電やバイオマス等の再生可能エネルギーに関する新聞記事について、過去からの記事数や記事内容について分析した。特に2000年以降から地熱を含む再生可能エネルギーの記事数が増加する傾向にあった。東日本大震災での原子力発電所事故以降、再生可能エネルギーへの関心が高まっていると考えられることから、記事数や記事内容についても変化が現れると予想していた。しかし予想に反し、大震災前と比較して大きな変化は見出せなかった。記事内容については特に情報の理解度(理解のしやすさ)を複数の指標を用いて評価したところ、すべての記事において理解度が低い、つまり記事内容や文章の記載方法が難しいと評価された。 インドネシアではSNS等のインターネットメディアが、若い世代(10~20代)において急速に重要な情報源となっていることから、Webサイトの情報についてもその理解度を調査した。Webサイトの情報をスクリーニングして特定の条件を満たすWeb情報を抽出し、それらを調査対象とした。新聞記事同様に、多くのWeb掲載された情報も理解度が低いと評価された。現状では、新聞記事およびWeb情報の両者ともに、住民理解への手助けという点で有効に働いていない可能性が示唆される。 ジョグジャカルタ市などを対象にWeb情報について、インターネットメディアへのアクセス性が高い若い世代(18~24才程度)を対象に対面書面式アンケートを実施した。理解度の指標と実際の理解性について、回答データの分析を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新聞記事やWebサイトに掲載された情報の理解度分析については当初の計画以上に研究が進展しており、順調と言える。ジョグジャカルタ市などでも対面書面式のアンケートを実施しており、回答データの分析を始めていることから、これも研究計画通りに順調に進んでいる。 しかし2015年10月よりポスドク研究員として雇用予定であった学生が、2016年9月に博士号取得が延期してしまったため、テガル市での現地調査が研究計画通りには実施しきれていない。この点は、研究が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に専従する博士学生について、2016年9月に博士号を取得する目途がついた。2016年10月よりポスドク研究員として雇用予定であり、現地調査の遅延を取り戻して研究を進展させる予定である。
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Research Products
(4 results)