2015 Fiscal Year Annual Research Report
わが国で発見されたTFG遺伝子異常による運動ニューロン病の海外学術調査と病態解明
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15H05293
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中川 正法 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (00214304)
能登 祐一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50637270)
高嶋 博 鹿児島大学, 医学部, 教授 (80372803)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TFG / 神経科学 / 運動ニューロン病 / 遺伝子異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初我々が報告したHMSNPとは異なる臨床的にCharcot-Marie-Tooth病2型と考えられる家系が台湾から報告された。今年度は、台北市陽明大学のDr. Lee、Dr. Bing-Wen Soong (宋秉文), Dr. Yi-Chu Liao (廖翊筑)を台北市に訪れ、患者2人(兄と妹)の診察および私のプレゼンテーションを行った。兄には軽度の眼瞼下垂と舌の軽度萎縮・挺舌時のfasciculationが疑われた。凹足は軽度であった。妹は兄と異なり、明らかに下肢近位筋優位の筋力低下を認めた。脳神経系では兄と同様に舌の軽度萎縮・挺舌時のfasciculationが疑われた。腱反射は上肢でも検出され、下肢ではやや亢進傾向もあった。妹の臨床症状は、われわれが報告したMSN-Pとしても矛盾しない臨床所見であった。
今年度の調査によりTFG変異による臨床症状の多様性を確認した。このことは、TFG異常症の今後の研究にきわめて有用であり、来年度以降のTFG異常症の研究に大きく貢献すると考える。
文献的レビューも精力的に行い、イランにおいて新たなHMSNP家系が報告された。来年度は、イランの家系調査も計画したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HMSNPとは異なる臨床的にCharcot-Marie-Tooth病2型と考えられる家系が台湾から報告された。今年度は、台北市陽明大学のDr. Lee、Dr. Bing-Wen Soong (宋秉文), Dr. Yi-Chu Liao (廖翊筑)と患者2人(兄と妹)の診察および私のプレゼンテーションを行った。今年度の調査によりTFG変異による臨床症状の多様性を確認した。このことは、TFG異常症の今後の研究にきわめて有用であり、来年度以降のTFG異常症の研究に大きく貢献すると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、TFG異常症の臨床病系は、HMSNP、Charcot-Marie-Tooth病2型、遺伝性痙性対麻痺など多様であることが明らかとなった。最近、イランにおいて新たなHMSNP家系が報告された。この家系は日本人との直接的な血縁家系のない家系であり、来年度は、イランの家系調査も計画したい。さらに、ブラジル、韓国、欧州などで報告されたTFG異常症の現地調査を計画している。本研究により、TFG異常症の臨床病態を明らかに治療法開発へ発展させたい。
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Research Products
(4 results)