2016 Fiscal Year Annual Research Report
粒子法流体解析における統計モデル導入による新しい知識発見原理の構築
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15H05303
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中村 和幸 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (40462171)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | データ同化 / 粒子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子法シミュレーションにおける誤差の基礎的データの統計的解析においては,前年度に引き続きシミュレーションとデータ収集を行った. ラグランジュ型離散化に由来する誤差についての検討においては,誤差が従うべき分布形について検討を行った.誤差分布は,これまでの解析から,裾の重いコーシー分布でモデリングすべきか,時変正規分布でモデリングすべきかについての検討が必要であった.そこで,粒子位置誤差の生成構造について仮定を入れ,そのもとでの粒子法における物理量がどのような分布に従うかについて検討を実施することで,本問題への検討とした.その結果,物理量に関する誤差分布が典型的な正規分布となる場合がある他,条件や物理量によっては,より裾の重い分布となる可能性も得た. 水槽実験により得られた計測結果の分析については,これまでにPIV計測によって得られた計測量に対して,引き続き統計的とりまとめと分布の構成を実施した. マクロパラメータ同化プログラムについては,従来の簡易多粒子系のプログラムを発展させ,粒子法に組み込む準備段階とした. これらに加えて,本研究を検討する過程において,新たに確率的セルオートマトンモデルにおけるパラメータ評価の有効性の評価,ならびに力学系解析手法とデータ同化手法との間の関連性の検討を実施した.これらは,粒子法データ同化を行う際の理論的基礎となる内容である.これらの成果は,学会における発表ならびに論文としての発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定と比較し,シミュレーション実施において一部で予定通りでない部分があるが,一方で,本研究の発展としてのパラメータ評価に関する研究が新たに発展していることから,全体としてはおおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た知見をまとめながら,粒子法データ同化プログラムを作成する.そのために,誤差の統計解析においては,より局所的な構造に注目した検討を実施する.また,PIV計測結果の分析結果も反映させたパラメータを与える.
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Research Products
(5 results)