2016 Fiscal Year Annual Research Report
身体性拡張のためのアクチュエータの固有インピーダンス・平衡位置の同時制御と伝達
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15H05321
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
野田 智之 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (30588661)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / 可変インピーダンス / アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの産業ロボットは正確な制御が必要とされていたため、高い位置決め精度が実現できる固い駆動関節に基づくロボットが開発されてきた。その一方で近年、リハビリ・工場などのアシスト機器を始めとした、ヒトと協調するロボットに期待が集まっており、盛んに開発されている。本研究では、このようなロボットに必要な機能で従来産業ロボットで実現できない要素として、ヒトの関節と互換性のある力強く柔軟な駆動関節を実現する。当該年度は柔軟性のある関節で実現される外骨格型ロボットもしくはロボットの遠隔操作において、身体性拡張に用いるためのアクチュエータの制御で柔軟性を変えることのできる駆動装置(アクチュエータ)の、角度や位置の制御システムを構築するとともに、特に制御におけるパラメータ調整・キャリブレーションの問題を検討した。本研究で採用している空気圧により駆動されるアクチュエータでは、従来のモータに比べて大きな力を伝達する必要があるため、機構の改良を実施した。具体的には、力の伝達経路において、力の伝達要素とアクチュエータ・関節部の接続部と力センサの取り付け部の改良を行うことで、サイズの大きなアクチュエータからの大きな駆動力をコンパクトに伝達できる機構を実現した。さらに、計画通り上記アクチュエータを実証的に制御するための多リンク機構を製作し、プラットフォームの整備を完了した。非常に軽量な関節機構で実現される可変インピーダンスの機構はこれまでの産業用ロボットでは実現されておらず、重要な成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、可変剛性における制御モデルの改良に取り組むとともに、多リンク機構の整備を完了しており、本研究における実証実験のためのプラットフォームの整備が進んでおり、概ね当初の予定どおり順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
アクチュエータ自体の改良および制御システムの構築は研究が順調に進展しており、駆動関節の位置・インピーダンスの制御を実証的に実施することで、本研究の仮説検証を実施することが可能である。アクチュエータからの大きな力が伝達できるようになったため、関節部において軽量化と強度の確保にトレードオフの課題があるため、今後の研究ではこの課題に取り組むとともに、出力側での性能評価を実施する予定である。
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