2016 Fiscal Year Annual Research Report
Bayesian modeling for analyzing, integrating and understanding of intracellular metabolic shifts
Project/Area Number |
15H05325
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島村 徹平 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授 (00623943)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | バイオインフォマティクス / システム生物学 / 代謝ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ゲノム、エピゲノム、メタボローム、プロテオーム、トランスクリプトームといった多階層のオミクスデータをベイズ的アプローチにより統合し、予測精度の高い階層横断的な代謝流束ネットワークを推定することにより、細胞内代謝シフトを解析、統合、理解するための方法論を開発する。また、代謝異常やがんにおけるエネルギー代謝のリプログラミングや薬剤抵抗性のメカニズム解明、疾病診断、各種疾患マーカーの探索などへの応用を試みる。平成28年度は以下の進展があった。
①:前年度行ったギブス自由エネルギーと熱力学第二法則に基づく代謝流速の方向性の制約に加えて、ミカエリス・メンテン式に基づく代謝酵素と代謝流速の関係性を代謝流速推定の際のパラメータ制約として組み込む方法の開発を行った。②:推定されたケース群とコントロール群の代謝ネットワークを比較し、有意に変動する代謝関連分子を同定する解析法の開発を行った。③:①および②の方法をR言語で実装した解析プログラムを開発した。④:小規模シミュレーションデータを作成し、①、②および③で開発した開発手法の精度を検証した。⑤:実データに適用し、がんにおけるエネルギー代謝のリプログラミングに影響を及ぼす分子の同定を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に必要な解析の要素技術を開発し、研究協力者との共同研究も順調に進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までに行った研究成果を踏まえ、代謝ネットワークを推定するための方法論をさらに発展させるとともに、細胞内代謝シフトを解析、統合、理解する解析法の数理的基盤の構築、解析プラットフォームの開発を目指す。また、得られた研究成果を積極的に論文として投稿し、国内外の学会・研究会における研究発表、開発したソフトウェアの公開を通じて、広く社会へ発信する。
|
Research Products
(7 results)