2015 Fiscal Year Annual Research Report
分布式光ファイバー一体型アンカーによる斜面崩壊予測手法の開発
Project/Area Number |
15H05350
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小暮 哲也 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70534006)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自然災害 / 斜面崩壊 / 光ファイバー / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
分布式光ファイバーセンサーを用いて斜面災害につながる変動を検知する技術を開発するため,平成27年度には必要な設備を導入し,試験システムを構築した。また,平成28年度に予定する現場試験の準備を行った。 <室内試験> 現場で使用する光ファイバーを導入し,光ファイバーケーブルの温度・ひずみ感度係数を取得した。これらのデータは,現場に光ファイバーを設置した際,周囲の温度変化(日変化や降雨などによる)がもたらす光の周波数変化の影響を定量的に評価するために必要である。光の周波数変化量から,温度変化による影響分を差し引くことにより,ひずみ変化量すなわち物体の変形量を算出できるため,これらの係数を正確に取得することが重要であった。 <現場試験に向けた準備> 次年度の現場試験の実施方法を検討した。検討項目は次の2点である:1)使用する光ファイバーの選定;2)試験実施場所。1)については,光ファイバーの計測機器会社,および光ファイバー現場試験の実績があるコンサルタント会社のアドバイスを基に,市販され安価に購入できる光ファイバーケーブルの中から用途に適したものを選定した。2)については,試験地提供者の協力のもと,作業性・利便性などの点から試験に適した場所を選定した。本研究では,将来的に斜面崩壊をモニタリングにより予測することを目的としているため,実際に変動しやすい斜面で長期にわたり観測できる必要がある。選定された試験地は実際に斜面崩壊が発生した場所であり,復旧工事が行われる場所であるため,本研究に適した場所であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に予定された実施内容を消化し,期待通りの成果を得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には,平成27年度の研究成果を踏まえて現場試験を実施する。現場試験では,設置された光ファイバーにより得られるデータのうち,温度の影響によるものとひずみ(斜面の変形)によるものとを区別する必要がある。したがって,1)データ取得と2)データ分析,の双方で意図した通りの結果を得られるか判断する。また,連続的にモニタリングする場合,データ処理およびデータ転送システムの構築が問題となる。現場試験を通して,これらの課題の解決にも取り組む。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Mitigating effects of successive small-scale collapses of coastal cliffs due to crystallization of calcite on large-scale collapses in Isotake coast, Shimane, Japan.2015
Author(s)
Kogure, T., Tanaka, K., Naka, Y., Tsukamoto, R.
Organizer
13th International Symposium on Geo-disaster Reduction
Place of Presentation
Prague, Czech Republic
Year and Date
2015-08-09 – 2015-08-11
Int'l Joint Research