2016 Fiscal Year Annual Research Report
分布式光ファイバー一体型アンカーによる斜面崩壊予測手法の開発
Project/Area Number |
15H05350
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小暮 哲也 島根大学, 総合理工学研究科, 助教 (70534006)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光ファイバー / 地すべり / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
分布式光ファイバーセンサーを用いて斜面災害につながる変動を検知する技術を開発するため,平成28年度には現場で取得される数値情報を瞬時に解析し,遠隔地からデータを確認できるシステムを構築した。また,平成29年度に予定する現場試験の準備を行った。 <データ解析システム> 現場で使用する光ファイバーケーブルを用いて,光ファイバーケーブルの温度・ひずみ感度係数を室内試験により取得した。そのケーブルにより実験室内の温度変化を20分毎に15日間観測した。計測機器に記録されるデータは後方散乱光の周波数であり,そのままでは温度変化を捉えられない。したがって,室内試験により取得した係数を用いて周波数変化量から温度変化量に換算し,温度の経時変化グラフを描くプログラムを開発した。これにより,インターネットに接続されていればどんな場所からも,光ファイバーにより計測された温度やひずみ変化量を把握できるシステムが構築された。 <現場試験に向けた準備> 昨年度に決定した試験地を使用できなくなったため,平成29年度の現場試験の実施場所を平成28年12月に再選定した。平成29年4月末現在,地権者との土地賃貸借契約を締結し,現場試験に向けた準備が行われている。現場における観測小屋を設置し,仮設電源引込工事を完了した。また,光ファイバーの計測機器会社,および光ファイバー現場試験の実績があるコンサルタント会社のアドバイスを基に,現場試験地内での光ファイバーの設置場所を決定した。今後,光ファイバーの埋設作業を行い,作業が終了次第モニタリングを開始できる見込みである。地すべりが動きやすくなる梅雨前の開始を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も順調に進んだ場合,平成28年度からのモニタリング開始を見込んでいたが,現場試験予定地を使用できなくなり年度内にモニタリングを開始できなかった。しかし,新たな試験地を速やかに決定でき試験に向けた準備は順調に進んでいる。5月あるいは6月に試験開始の目処が立っており,これは想定範囲内である。また,平成29年度に予定していたデータ処理システムの構築およびデータ転送システムの確立を1年前倒しして達成したため,順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現場試験の準備が順調に進んでおり,光ファイバーを埋設でき次第モニタリングを開始する。データ処理・転送システムは既に完成しており,それらが適切に作動すれば遠隔地からのモニタリングが可能になる。得られたデータを解析し,雨量と地すべり移動量との関係,すべり面と地質との関係など,地すべり挙動の解明につなげる。
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Research Products
(10 results)