2016 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の認知機能・健康度を向上させる認知・運動トレーニングの長期持続効果と個人差
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15H05366
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野内 類 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 准教授 (50569580)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生活介入 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康な高齢者を対象に、認知トレーニングと運動トレーニングを用いた生活介入を実施し、その効果をRCTを用いて調べることが目的であった。今年度は、72名の高齢者を対象にタブレットを用いた処理速度トレーニングを実施し、認知機能の向上や精神的健康度が向上することが明らかになった。さらに、介入前の性格や生活習慣や各種心理指標の得点から生活介入の効果を予測できるかどうかを機械学習を用いて検討した。その結果、外向性のスコアが高い個人ほど生活介入の効果が高い傾向にあることがわかった。また、抑うつの程度が低い個人ほど、認知機能の向上が大きくなることがわかった。さらに、前年度までに実施した認知トレーニングを実施した群の長期フォローアップ効果についての調査も行った。認知トレーニングの効果は、介入直後がピークであり、介入期間が終了した直後から時間の経過と共に緩やか向上したに認知機能が低下していくことが明らかになった。しかしながら、対照群と比較すると、認知機能は以前高く、認知トレーニングの効果が継続して残っていることがわかった。運動介入については、筋力トレーニング・有酸素トレーニング・ストレッチトレーニング・コンビネーショントレーニング の4種類の運動トレーニングを実施し、その効果の違いについて調べた。その結果、ストレッチグループと比べると有酸素やコンビネーショントレーニングを実施した群は、実行機能や記憶などの認知機能が向上することがわかった。 さらに、手術後の高齢者に対して、認知トレーニングを実施することで、認知機能や精神的健康度が向上することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知・運動トレーニングともに、介入で使用するプログラムの作成に時間がかかり、被験者募集が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
生活介入で使用するプログラムはすでに確定したため、積極的に被験者募集の広告を出し、被験者募集をする。また、各種個人差指標を検査する補佐員を雇用し、スムーズにデータ収集ができるようにする。
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Research Products
(4 results)