2016 Fiscal Year Annual Research Report
民主制における政治参加と情報の役割に関する計量分析
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15H05391
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
森 悠子 流通経済大学, 経済学部, 准教授 (10748198)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経済政策 / インド / 選挙調査 / 議席割り当て制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、①平成29年度に行う大規模調査の準備、②インド留保議席制度に関する論文の国際学会での報告を行った。①については、平成29年度にインド、グジャラート州の州政治選挙後に大規模調査を予定しているため、平成28年度はその準備(調査票の作成や現地の研究者・調査会社とのネットワーク作り)を行うことが目標であった。そのために、平成28年8月にインド、グジャラート州を訪問し現地の研究者(Gujarat Institute of Development ResearchやGujarat Universityの研究者)と会談し、グジャラート州における政治動向を把握し質問表作成する上でのアドバイスを受け、資料収集を行った。平成29年2月には、現地の調査会社(Dexter)に依頼し、訪問調査の事前調査を2月に実施した。調査の際には代表者も現地を訪問し一部の調査に同行した。その結果、平成29年度の本調査に向けて質問表の内容や調査対象者の抽出方法に関して改善すべき点が明らかになった。②については平成28年度に行った研究について、一橋大学で開催された国際学会(Human Development Capability Association)で報告を行ったものである。本研究ではインドにおける州議会選挙において低カーストに対する議席割り当て制度が州議会選挙における人々の投票行動や政党のパフォーマンスに与えた影響について実証分析を行った。その後、得られたコメント(分析手法に関する改善点)にしたがって論文の改訂作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述したように、平成29年度に行う大規模調査および留保議席制度と政治競争に関する研究はおおむね順調に進んでいる。その一方で、女性の投票率に関する研究を進めることができなかった。これは、当初予想していた以上に大規模調査の準備(渡航の準備や資料収集)に時間を要してしまったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は主に3つの課題を進める予定である。 (1) インドの選挙における大規模調査の実施:平成29年8月にインドに渡航し、調査を依頼するコンサルタント会社を選定し、質問表や調査対象者に選定について協議を行う。本調査は平成30年1月から2月を予定している。 (2)インドの被差別集団に対する議席割当制度が政治競争および投票行動に及ぼす効果の検証については海外の査読付き学術誌に投稿する予定である。 (3)インドにおける女性投票率の決定要因および分配面に及ぼす効果の検証については平成29年度中に論文としてまとめ、国内の学会や研究会で報告する予定である。
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Research Products
(2 results)