2018 Fiscal Year Annual Research Report
Political participation and the role of information
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15H05391
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
森 悠子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (10748198)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 投票行動 / 情報環境 / インド / イデオロギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つは、発展途上国の政治における情報の役割を分析することであった。本年度は主に昨年度に実施したインド・グジャラート州における大規模調査をもとに、この分析に取り組んだ。調査では約1700人の有権者に訪問調査を行い、①政治に関する情報のアクセス状況(メディアの利用状況、家族や友人との会話、パブリック・ミーティングを含む)、②政治経済における知識(正誤問題を用いる)、③リスク回避度、自信過剰、性別、所得、カーストなどの個人属性、④イデオロギー選考(ナショナリズム選好、グループ・アイデンティティーなど)、⑤投票行動、といった項目について情報を収集した。分析の結果、情報源に応じて政治・経済に対する知識やバイアスが異なること、情報源や知識は投票行動には直接影響を与えないが、イデオロギー選考や自信過剰といった変数を通じて投票行動に影響を与えること、といった関係が明らかになった。とりわけ、スマートフォンや携帯電話によって政治情報を得ている有権者は経済について誤った知識を持ちやすいこと、スマートフォンで情報を得ている有権者がグループ・アイデンテティーを強く持ちやすいこと、といった結果は近年問題になっているフェイクニュースやSNSの普及が多元的社会におけるグループ間の対立へ与える影響に重要な示唆を与えるものであろう。 なお、本研究の成果は国内およびインドで開催された3つの国際会議で報告した。現在は海外の査読付き学術誌へ投稿の準備を進めている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)