2015 Fiscal Year Annual Research Report
動的幾何ソフトウェアを活用した協働型探究活動を促進する教材系列の開発と検証
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15H05402
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小松 孝太郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40578267)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数学教育 / 数学的探究 / 教材系列 / 動的幾何ソフト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,動的幾何ソフトウェアを活用した協働型探究活動に着目し,その活動を促進するための教材系列を開発すること,そして,中学校で教授実験を実施し,その結果の分析を通じて開発した教材系列の有効性を明らかにすることを目的としている。 本年度は研究期間の初年度ということもあり,まず協働型探究活動の概念規定から取り組んだ。そのために,代表者のこれまでの研究を基盤として,数理哲学者ラカトシュの主著『証明と論駁(Proofs and Refutations)』に着目した。そして,協働型探究活動の意味を,推測と証明,証明の論駁と洗練,推測の論駁と洗練の三つの側面から構成される活動として規定した。 続いて教材系列の開発に着手した。具体的には,まず教材系列を構成する個々の教材を複数開発した。次に,国立大学法人附属中学校の第2学年1クラスで6時間の教授実験を,公立中学校の第3学年1クラスで3時間の教授実験を実施した。前者の教授実験は動的幾何ソフトを利用しない形で実施し,後者では動的幾何ソフトを利用して教授実験を行った。そして,それらの教授実験の結果を比較検討し,動的幾何ソフトを利用することの有効性を確認した。 上述の研究活動と並行して,第3回日本数学教育学会春期研究大会(平成27年6月,東京理科大学),第97回全国算数・数学教育研究(北海道)大会(平成27年8月,ニトリ文化ホール等),第39回日本科学教育学会年会(平成27年8月,山形大学),及び第48回日本数学教育学会秋期研究大会(平成27年11月,信州大学)にて研究情報を収集するとともに,研究発表を通じて他の研究者と研究討議を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,平成27年度に協働型探究活動の概念規定,個々の教材の開発,中学校における教授実験を実施する予定であった。いずれも本年度に達成することができたことから,研究目的の達成度は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は代表者がイギリスに長期滞在するため,現地の研究者や教師と研究討議を重ねることで,開発する教材系列の国際的汎用性を高めていく予定である。
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Research Products
(5 results)