2015 Fiscal Year Annual Research Report
米国における世界史教育理論の分析と評価による世界史教育改革モデルの構築
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15H05404
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
空 健太 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30548285)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 世界史教育 / アメリカ合衆国 / カリキュラム / スタンダード / 史料を中心とした世界史 / Rethinking School / Reading Like a Historian / Facing History |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本の世界史教育のオルタナティブとなりうる世界史教育のモデルを提示することを目的に,アメリカを対象にして,世界史教育の実践や理論の収集・調査を行いその教育内容の分析を行うものである。平成27年度は,調査対象の確定,先行研究としての論文や教材の収集・分析を行ってきた。具体的には,次の3点を実施した。 第一に,カリフォルニア,ルイジアナ,ワシントン,ニューヨーク,テキサスの各州スタンダードの収集・分析を行ってきた。これらを選定したのは,Bain&Shreiner(2005)やMeed(2006)による各州のスタンダードにおける世界史教育の分類や評価を参考にした。異なるタイプの世界史教育を提示しているであろうこれらの州の現行スタンダードを再評価していく。 第二に,米国の世界史教育における教育プログラムの収集・分析を行ってきた。Reading Like a Historianプログラム, Rethinking Schoolプログラム,Facing Historyプログラムなどを選定し教材・関連資料を収集してきた。これらのプログラムにおける世界史を事例にしてどのような教育が行われているのかを分析している。それぞれのプログラムの目的・目標に応じて世界史が事例としてどのように扱われることで,世界史教育の多様なバリエーションを提示する。 第三に,米国の世界史教育用の教材を分析し,実践に応用することを行った。今年度は史料で世界史学習を組織することを提案するCritical Thinking using Primary Sources in World Historyの分析をもとに,史料を用いて解釈を行わせる世界史教育を実践し,日本の高校で実践可能な史料による世界史学習の方法を提案した。その内容について学会で成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
関連資料の収集とその訳および分析に時間を要してしまい,平成27年度に予定していた実地調査を行う時間をとることができなかった。専門性の高いものであると考え,資料や教材の訳を外注しなかったが,必要に応じて今後は行うことを検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,必要に応じて教材や資料の訳そのものを外部に発注することを検討し,出来る限り分析と実地調査に時間を割くことができるようにしていく。また,分析した各州スタンダードについておよび教育プログラムについてはそれぞれ成果を学会にて発表し,論文としても提出し,結果を広く公表していきたい。
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Research Products
(3 results)