2015 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック伝導を用いた酸化亜鉛量子ホール状態の究明
Project/Area Number |
15H05425
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
打田 正輝 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50721726)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 表面・界面 / 量子伝導 / 量子ホール効果 / 二次元電子ガス / 高移動度 / 酸化亜鉛 / 酸化物薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、酸化亜鉛ヘテロ界面の高移動度化を進め、メゾスコピック伝導の手法を用いて偶数分母分数量子ホール状態の解明を行うことを目的としている。酸化亜鉛二次元電子ガスの作製については、基板加熱部品を改良し、100万cm2/Vsを超える移動度をもつ試料を安定的に作製することに成功した。本系のもつ30psという量子散乱時間は、ヒ化ガリウム系二次元電子ガスと同程度に到達していることが明らかになった。既に観測に成功していたν=3/2という新しい偶数分母分数量子ホール状態については、アンチドット構造における整合性抵抗振動の周期から、スピン偏極した複合粒子の形成を示唆する結果が得られた。エアギャップトランジスタや超伝導接合の作製等の周辺基盤技術の確立が進んでおり、偶数分母分数量子ホール状態の更なる解明を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化亜鉛ヘテロ界面の高移動度化・偶数分母分数量子ホール状態のスピン偏極率の解明の二点に成功しており、研究は順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)