2018 Fiscal Year Annual Research Report
The observation of CMB polarization with the combination of the novel IR-filter
Project/Area Number |
15H05448
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小栗 秀悟 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 基礎科学特別研究員 (20751176)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / CMB |
Outline of Annual Research Achievements |
新開発の放射冷却式断熱フィルターRT-MLIを搭載したGroundBIRD望遠鏡の詳細な性能評価を行なった。フィルターは、40Kの放射シールドと4Kの放射シールドの窓に導入し、メタルメッシュフィルターを併用することで断熱を実現した。RT-MLIは赤外線をカットする断熱材を多層にして、空間中の熱放射を段階的に減少させることによって断熱を行う。そのため、RT-MLIの横からの迷光があると、断熱性能が下がる。フィルターの縁部分をアルミ板とテープで十分遮光することで、目標温度まで検出器を冷却することに成功した。望遠鏡の窓から300Kの放射熱を導入した状態で、クライオスタットの中に設置している超伝導検出器を、0.20Kまで冷却できた。当初の目標は0.22Kであり、それをさらに20mK低温まで冷却することができた。 本年度は新たに、望遠鏡として外からの光を電波として取得できているかの評価を行った。超伝導検出器は、アンテナから得た電磁波のエネルギーで直接超伝導体のクーパー対を破壊し、信号を読み取る。しかし、仮に放射熱で検出器が温まってしまった場合も、超伝導体のクーパー対が破壊され、同様に検出器が反応してしまう。放射熱による温度上昇は、アンテナを経由せずに反応するため、周波数特性が異なり、また偏光成分が取得できないため、低く抑える必要がある。この問題を切り分けるために、実験室の天井に設置されている水銀灯を点光源とみなし、望遠鏡を回転させて空のスキャンを行った。その結果、超伝導検出器で点光源を取得することができ、角度分解能も設計値と同等であることを確認した。また、信号の応答性が十分早いことから、温度変化ではなくアンテナで受けた電磁エネルギーを取得できていることも確認できた。 これにより、フィルターによる断熱は十分であり、高感度な望遠鏡が完成したことを確認した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)