2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05449
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
青木 和也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (70525328)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 原子核物理学実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年に引き続きHBD実機の量産を進めるとともに、量産品用の使用前性能評価の方法の開発を行った。光電面に使用するGEMは薄いフィルム状で、ハンドリングの為に枠に綺麗に張って接着固定する必要がある。前年はこの作業を外部委託したがあまりにも高額であったため、自前で行うこととした。その際前年に開発したジグを大いに活用した。また、接着剤塗布については精度向上・作業軽減のためディスペンサーを使用することとし、そのパラメータの最適化を行った。 前年に製造したGEMは納入時試験をクリアしていたのだが、その後詳しく調べたところ、一部不良を発見した。GEMは薄いフィルム基板の両面に電極がついており、そこに55um径の穴を110umピッチで開けたものである。その無数にある穴の一部に金属片と思われるものが混入する不具合があることが発覚した。この部分の為に動作電圧印加が不可能となり、わずか100um程度の領域の欠損の為に全体が使用不可となるところであった。不良部分をレーザー処理することで欠損を切り離し、34mm径というチェレンコフ光を観測するに対して無視できる大きさにとどめることができた。また、底面ひずみを改善したアルミ溶接チェンバーの製作を完了した。 平行して、GEMの事前性能評価手法の開発も行った。基本的には動作電圧500Vよりも高い600Vの電圧をかけて放電率が十分下がるまでコンディショニングを行うというものである。そのためのマウントの容易なチェンバーを開発した。 また、本研究で得られた知見をJ-PARC E16実験のTechnical Design Report へ反映させ J-PARC課題採択委員会PACに提出、口頭発表を行った。次回までに文章をアップデートして提出することでステージ2採択を与える、というところまでこぎつけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実機HBD検出器の製造を進めている。しかし、いままでと同様の方法で製造したはずの製品に予想外の不具合が見つかった。GEMは薄いフィルム基板の両面に電極がついており、そこに55um径の穴を110umピッチで開けたものであるが、その無数にある穴の一部に金属片と思われるものが混入する不具合があったのである。しかし、レーザー処理することで欠損を切り離し、利用可能な製品に回復させる方法を開発することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きHBD実機の量産を続けるとともに、製造した実機の性能評価を行う予定である。また本番を見据えてシステム全体としての実証試験を検討する。J-PARC課題採択委員会PACにおいてJ-PARC E16実験のステージ2採択を得る。
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Remarks |
国際共同研究としては、GEMにかかわる共同研究 RD51 のメンバーとして活動しています。
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Research Products
(7 results)