2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05470
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 龍一 東京工業大学, 地球生命研究所, WPI研究員 (40734570)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地球・惑星内部構造 / 惑星起源・進化 / 地球化学 / 地殻・マントル物質 / 岩石・鉱物・鉱床学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定であったレーザー加熱によるマントル物質の融解実験では、レーザー加熱法の特徴であるサンプル中の大きな温度勾配が問題となり、各相の組成や分配係数といった定量的なデータの信頼性に問題があった。その中で、マルチアンビル高圧発生装置でのボロン添加ダイアモンドヒーターを用いた高温発生技術の最近のめざましい進展、および放射光X線イメージング技術を利用することにより、当初計画の欠点であったサンプル中の大きな温度勾配を克服し、回収試料から信頼性の高い定量的なデータを得られるとともに、リキダス相関係をその場観察により決定できる可能性に思い当たった。そこで本年度ではその土台となる技術開発を行った。 具体的には、(1)ラミノグラフィー撮像法の導入を行うことにより、高圧その場化学イメージングを可能にした(Nomura and Uesugi, 2016)、(2)大学院生との共同研究のもと、マルチアンビルで最近開発が行われてるボロン添加ダイアモンドヒーターを内部抵抗加熱式ダイアモンドアンビルセルに導入し、マルチアンビルと同じレベルの小さい温度勾配を実現することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室温での放射光X線ラミノグラフィー法の導入はすでに終え、国際ジャーナルに発表した(Nomura and Uesugi, 2016)。また、大学院生との共同実験にて、ボロン添加ダイアモンドヒーターを内部抵抗加熱式ダイアモンドアンビルセルに導入することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)抵抗加熱、レーザー加熱を放射光X線ラミノグラフィー撮像法と組み合わせることで、高圧”高温”下でのイメージング手法の完成を目指す。(2)内部抵抗加熱式ダイアモンドアンビルセルの発生可能温度を5000K(マントル最下部圧力でのマントル物質のリキダス温度)まで引き上げるための技術開発を行う。 これら技術を用い、マントル物質の全マントル圧力下での融解相関係を明らかにし、初期地球における全溶融マントルの冷却に伴う結晶化・化学成層構造を明らかにする。
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Research Products
(12 results)