2017 Fiscal Year Annual Research Report
Nitrogen isotopomer modeling for prediction of N2O emission form the ocean
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15H05471
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
吉川 知里 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 生物地球化学研究分野, 技術研究員 (40435839)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物地球化学 / 一酸化二窒素 / 海洋生態系モデル / 同位体分子種 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、東部インド洋のWOCE-I10側線と南部チリ沖で採取したN2O関連化合物の同位体・同位体分子種比、硝化・硝化菌脱窒の測定を行い、「海洋生態系・同位体分子種モデル」を東部インド洋と南部チリ沖へ適応させた。 今年度は、前年度までに採取した東部インド洋のWOCE-I10側線と南部チリ沖の海水について、硝酸の窒素・酸素同位体比測定を行った。東部インド洋で採取した海水については、N2Oの窒素同位体比測定も行った。東部インド洋については、他の観測項目も含めて詳細な同位体解析を行い、当海域の窒素循環について考察した。オーストラリア西岸沖の表層水は、窒素同位体比が低く、酸素同位体比が高い値を示し、リンに対して窒素が豊富だった。また亜表層水は、窒素酸素ともに高い同位体比を示した。当海域の表層水は、窒素固定の影響を受けている可能性が示唆された。また亜表層水は、大陸棚起源の海底脱窒の影響を受けている可能性が示唆された。 また、東部インド洋と南部チリ沖で採取した懸濁粒子について、一次生産者の窒素同位体比に相当する、植物プランクトンとクロロフィルの窒素同位体比測定を行った。 さらに、前年度にYoshikawa et al.(2016)の硝化プロセスを改良した「海洋生態系・同位体分子種モデル」へ、本年度は新たに窒素固定と脱窒の過程を追加し、東部インド洋や南部チリ沖へ適応可能なモデルへ拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東部インド洋と南部チリ沖の同位体測定とモデルの拡張を、当初の予定通りに行った。 南部チリ沖の解析は、当初の予定から若干遅れているが、東部インド洋の解析は、当初の予定通り完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に測定でき、データはそろいつつあるので、最終年度はモデルの全球への展開を行う予定である。
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Research Products
(4 results)