2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05487
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮島 大吾 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (60707826)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水素結合 / 超分子 / 高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では超分子ポリマーの連鎖重合を実現する汎用的戦略の開発に取り組んでいる。昨年度の研究を通してアミド基を有したモノマーにアルコールを加えることで自発的な超分子重合を制限しモノマーとして単離できること。またそこにポリマーを加えると、加えたポリマーは脱重合せずに、そのポリマーを開始剤として重合が開始出来ることを明らかにした。この超分子連鎖重合は現在までに4種類のモノマーで実現が確認されている。前年ながらこれまでの研究ではまだ開始剤の開発には至っておらず、常にポリマー自身を開始剤として使わなければならず、真の連鎖重合とは言えない状況である。今年度は開始剤の開発に注力を注ぐ予定である。 また、得られたポリマーの解析方法として、動的光散乱法、2色円偏光分光法、DOSY NMRによる拡散速度の評価方法、 ならびにAFMによる直接的長さ評価を行ってきた。しかしながら、これらの手法では分散度の評価は難しく、得られたポリマー全体の分布を真に評価しているとは言いがたい。GPCによる解析ならば、ピークの形状より多分散度が評価できるのだが、溶媒としてある程度の極性溶媒を用いる必要があり、そのような条件では超分子ポリマーが脱重合してしまうという難点がある。現在までに様々な溶媒を検討してきたが、成功に至っていない。今年度は違う種類のカラム(ポアサイズがもっと大きいもの)を用いることでこの問題に挑む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに当初の目標通り、汎用的な連鎖重合法の開発に成功しているため、順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した連鎖重合法をより洗練したものにするには、開始剤の開発が不可欠である。本年度は開始剤の開発に注力する。またポリマーの解析手法としてGPC分析を用いられるように、実験条件を最適化する。それらに加え、本年度は開発した連鎖重合法を用い、基板からのグラフト重合などに挑戦する予定である。
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Research Products
(4 results)