2016 Fiscal Year Annual Research Report
自動運転のための全天候性型走行環境認識技術の研究開発
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15H05528
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
松波 勲 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (70583219)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 計測工学 / ミリ波レーダ / UWBレーダイメージ / 次世代交通システム / 多目標追尾 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、Hybrid M2TDAC技術の開発に向けたデータ計測と解析 (ア)実験車両:車両バンバー部に77GHz帯ミリ波レーダと光学カメラ、高精度カメラ、ルーフにリファレンスとして使用するレーザライダーを積載した。さらに、GNSSのタイムスタンプ機能を用いて、各センサーの同期を取り、リアルタイムデータ計測を実現した。(イ)データ計測:実験車両前方に速度の異なる3台の目標車両を走行させデータ計測を実施した。本実験では、77GHz帯MIMOレーダを使用した。(ウ)解析結果:取得したデータをHybrid M2TDACにより解析した。ビームフォーマ法を用いてしきい値以上となる全ての信号を分離・識別する。次に固有値分解を基とするMUSIC法によりを用いて各目標車両から反射される信号を検出する。その結果、車両形状の推定に必要な複数点を検出することに成功した。 2、2次元立体構造再構成法の開発に向けた原理実証実験 (ア)座標情報の取得:座標情報の取得方法について説明する。 MIMOレーダで取得したデータに対して到来方向推定としてMUSIC法を用いた処理を行い、 直交座標系から極座標系へ変換し、 極座標系内で車線幅の大きさの範囲で、 車両からの反射を取得し、 所得座標を座標上にプロットした。(イ)水平角方向の推定:Khatri-Rao積拡張アレー処理により水平角方向の分解能を更に向上させた。(ウ)仰角方向の推定:2次元立体構造をレーダ画像として描画するためには、仰角方向の情報も必要である。ここで我々は受信信号の経路長差に着目した。今回の実験で得られたデータから側面と背面に補正した点と補正前のレーダから経路長差を求めた。 そこから補正前の経路長から補正後の経路長で差分をとり、その差分を高さと仮定して高さを推定した。 以上、学術論文3編、国際会議1件、国内会議1件、書籍1編の成果をあげている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2次元立体構造再構成法の開発に向け、まず水平角方向の分解能を改善することに着手した。MIMOレーダやアレーレーダの角度分解能向上アルゴリズムとして近年注目されているKhatri-Rao積拡張アレー処理が効果的であることはこれまでの研究から明らかであったが、マルチパス等の影響によりアレー素子間で干渉が生じると改善性能が著しく劣化することが実験により明らかとなった。この問題が解決できなければ進捗に遅延が生じる可能性があったが、この問題を解決する手法を発見することができたため、2次元立体構造再構成法の開発に着手することができた。なお、平成30年度に予定しているHybrid M2TDAC技術と2D-SLAM技術の融合に向けた基礎研究に関しては、前倒しで進めている。 リファレンスシステムとしてレーザライダーに加えて、光学カメラと高精度カメラを導入した。レーダで2次元立体構造再構処理した結果と、レーザライダー、光学カメラ、高精度カメラで画像処理した結果を比較評価をすることで、提案手法の有効性を詳細に評価できるようになった。さらに、レーダで処理した結果と光学カメラ等で処理した結果を融合(センサーフュージョン)することで、より高速かつ高精度な2次元立体構造を生成することにも成功している。 以上の結果から、当初の計画以上に進展しており、また新たなリファレンスシステムを導入することで、当初の目標以上の成果がでている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降の研究計画通り進めていく予定であるが、平成30年度に予定しているHybrid M2TDAC技術と2D-SLAM技術の融合に向けた基礎研究に関しては、前倒しで進めているため、平成29年度中に平成30年度までの研究計画が前倒しで全ての終了する見込みである。また当初計画していた研究目標も平成29年度中に達成できる見込みである。
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Research Products
(5 results)