2017 Fiscal Year Annual Research Report
Bacteria on nanotopographic metals
Project/Area Number |
15H05547
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
袴田 昌高 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (30462849)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノポーラス / 金 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノポーラス金および平滑金上で培養した大腸菌K-12の細胞壁の弾性率を、走査プローブ顕微鏡を用いた荷重―変位曲線の測定結果から、JKRモデルに基づいて算出した。その結果、平滑金上で培養した大腸菌の弾性率は、金上で培養していない大腸菌のそれとほぼ同じであったが、ナノポーラス金上で培養した大腸菌の弾性率は、平滑金上で培養した大腸菌、また金上で培養していない大腸菌のそれよりも大きくなる傾向が見られた。当初、ナノポーラス金の作用として大腸菌の細胞壁(膜)の機械的強度を弱めるものであると期していたが、これとは異なる結果となった。 また、ナノポーラス金および平滑金上で培養した大腸菌K-12の遺伝子発現量をリアルタイムPCRならびにマイクロアレイ解析を用いて評価した結果、ナノポーラス金上で培養された大腸菌では、平滑金上で培養された大腸菌に比べて細胞壁(膜)の機能に関する発現量に大きく差があった。DiSC3(5)を蛍光プローブとして用いた蛍光観察の結果、ナノポーラス金によって死滅した大腸菌については、死滅後もなお細胞壁に分極が生じていることがわかった。これらからナノポーラス金は、大腸菌の細胞壁(膜)の機能を阻害して抗菌性を発現していることが示された。 現象の理解のため、細胞壁の分極について分子動力学ならびに第一原理計算を組み合わせたシミュレーションを行った結果、ナノポーラス金特有の表面圧縮格子ひずみによって、細胞壁を構成するペプチドグリカンの分極状態が大きくなること、さらに、膜内に存在し、膜内外のイオン濃度を制御するイオンチャネルの分子構造が、ナノポーラス金によって微妙に乱され、結果としてイオンチャネルの機能が阻害されることが示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)