2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路再編成の神経活動依存性と関わる分子群の同定
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15H05568
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
上阪 直史 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70597624)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | シナプス / シナプス刈り込み / 神経活動依存性 / 分子メカニズム / 小脳 / 遺伝子操作 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、発達期におこるシナプス結合の選択的強化・除去（シナプス刈り込み）のメカニズム解明を目指している。シナプス刈り込みのモデル系として小脳の登上線維ープルキンエ細胞シナプスに注目し、その神経活動依存性とそれに関わる分子を網羅的に解析する。それにより、機能的な脳になるために必要な発達期の神経回路再編成における神経活動の役割とその分子機構の解明を目指している。本年度は以下の研究を行った。（１）神経活動の役割：登上線維の神経活動の役割と登上線維間の神経活動依存的競合の有無を調べるための方法の開発を行った。登上線維の神経活動を阻害するために、シナプスからの伝達物質放出を欠失させるtetanus-toxin light chainの発現ベクターを作成した。このベクタ－を登上線維の起始細胞である下オリーブ核細胞に発現させた時、登上線維からの入力が消失することを見出した。またこの方法により一部の登上線維でのみシナプス伝達を消失できることを見出した。（２）バーグマングリア細胞の役割：幼弱期マウスにおいてバーグマングリア細胞への遺伝子導入を行うためにバーグマングリアで機能するGFAP遺伝子のプロモーターを持ったレンチウィルスの作成を行った。作成条件を検討した結果、幼弱期より小脳のグリア細胞特異的に遺伝子を導入できるレンチウィルスベクターの作成に成功した。（３）プルキンエ細胞に存在する遺伝子の役割：既に開発したスクリーニング法を用い、いくつかの遺伝子の機能解析を行った。その結果、プルキンエ細胞で発現する神経栄養因子が直接登上線維の受容体に作用しシナプスを刈り込むことが見出された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
１年目である本年に研究に必須となる方法を確立した。方法が確立できるかは、研究推進の大きな懸念題材であったため、達成度としては順調といえる。確立した方法を用い、次年度以降シナプス刈り込みの神経活動依存性と分子メカニズムの研究を推進できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、確立した方法を用い、以下の研究を推進する。（１）神経活動の役割：登上線維の神経活動の役割と登上線維間の神経活動依存的競合の有無を調べる。一部の登上線維のシナプス伝達を消失させた時に、その登上線維がその後競合に勝ち生き残るのか負けて除去されるのかを解析する。（２）バーグマングリア細胞の役割：幼弱期マウスにおいてバーグマングリア細胞で任意の遺伝子のRNA干渉ノックダウンを行い、登上線維ープルキンエ細胞シナプスへの影響を解析する。（３）プルキンエ細胞に存在する遺伝子の役割：さらにスクリーニングを進めると同時に、シナプス刈り込みへの関与が明らかになった遺伝子に関して活動依存性やシグナリングメカニズムを明らかにする。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Consensus Paper: Cerebellar Development.2016
Author(s)
Leto K, Arancillo M, Becker EB, Buffo A, Chiang C, Ding B, Dobyns WB, Dusart I, Haldipur P, Hatten ME, Hoshino M, Joyner AL, Kano M, Kilpatrick DL, Koibuchi N, Marino S, Martinez S, Millen KJ, Millner TO, Miyata T, Parmigiani E, Schilling K, Sekerkov G, Sillitoe RV, Sotelo C, Uesaka N, Wefers A, Wingate RJ, Hawkes R
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Journal Title
Cerebellum
Volume: 15
Pages: 789-828
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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