2017 Fiscal Year Annual Research Report
光合成能喪失藻類をモデルとした従属栄養性への進化を駆動する因子の提唱
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15H05606
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神川 龍馬 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (40627634)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光合成 / 進化 / 藻類 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに同定した炭素源トランスポーター遺伝子のうち、従属栄養性珪藻類はもつが光合成性珪藻類はもたない2つの遺伝子をGFP遺伝子と融合させ、モデル光合成性珪藻類細胞内で発現させた。その結果、GFP蛍光はクロロフィル蛍光と重なる部位に観察されたため、今回の実験に用いた炭素源トランスポーターは葉緑体膜に局在している可能性が示唆された。そのため、外部からの炭素源取り込みに寄与していることは示すことができなかった。 従属栄養性珪藻類が利用できる炭素源の探索を昨年度に引き続き行った。コントロールとして用いた光合成性珪藻類の一種はグルコースを利用できないことを確認した。従属栄養性珪藻類の一種もグルコースは利用できないので、この性質は光合成性であった祖先から受け継いだ形質であると考えられる。また、従属栄養性珪藻類は金属イオンのキレート剤として用いられる物質が炭素源およびエネルギー源として利用可能であることが示唆された。この可能性については、引き続き追加確認実験を行う。 あらたに行ったマングローブ林での従属栄養性珪藻類の分布調査に関連して、マングローブ林の光量および光質の解析を行った。その結果、サンプリングを行っているサイト付近のマングローブ林内では、林外部の100分一程度の光量しかなく、また700 nm以上の赤外光がほとんどを占めていた。マングローブ内の従属栄養性珪藻類の分布・増殖と光の関係について、今後研究をしていく必要があることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炭素源の取り込みに重要な、従属栄養性珪藻類特異的トランスポーターは同定できていないものの、来年度に別の候補遺伝子の詳細な解析を進める予定である。その一方で利用可能な炭素源の同定や生態に関するデータの蓄積は進んでいることから順調に研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展していることから、研究計画通りに進めていく。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Phylogenomics places orphan protistan lineages in a novel eukaryotic super-group2018
Author(s)
Brown MW, Heis AA, Ryoma Kamikawa, Inagaki Y, Yabuki A, Tice AK, Shiratori T, Ishida K, Hashimoto T, Simpson AGB, Roger AJ
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Journal Title
Genome Biology and Evolution
Volume: 10
Pages: 427-433
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A Non-photosynthetic Diatom Reveals Early Steps of Reductive Evolution in Plastids2017
Author(s)
Kamikawa R, Moog D, Zauner S, Tanifuji G, Ishida KI, Miyashita H, Mayama S, Hashimoto T, Maier UG, Archibald JM, Inagaki Y
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Journal Title
Molecular Biology and Evolution
Volume: 34
Pages: 2355-2366
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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