2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05614
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 龍 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60620375)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 雑種強勢 / ヘテロシス / エピジェネティクス / トランスクリプトーム / アブラナ科 / QTL |
Outline of Annual Research Achievements |
生育初期 (播種後7日の子葉の大きさと播種後14日の本葉の大きさ)に着目して、140個体のF2について、形質調査を行い、その中から96個体を用いてQTL解析を行った。QTL解析に用いるDNAマーカーは、両親系統の全ゲノムリシークエンスにより見出したSNPsをCAPSマーカーに変換することで作製した (Shea et al. 2018 Breed Sci in press)。QTL解析の結果、合計10ヶ所のQTLを検出した。現在、反復実験を実施しており、形質調査を終え、遺伝子型の判定を行っている。また、F2集団及びBC1F1集団について、圃場における生育調査を行い、収量の上位10%と下位10%の個体からDNAを抽出し、QTL-seqを行っている。現在、シークエンスデータの取得まで進んでおり、データ解析により、QTLの同定を行う予定である。 F2とBC1F1個体の播種後14日の植物サイズに着目し、その中から、植物サイズが小さい集団と大きい集団を選抜し、RNAを抽出し、RNA-seq解析を行っている。現在、シークエンスデータの取得まで終っており、データの解析を進めている。 F1と両親系統を用いて、small RNA sequencing解析を実施した。まず、母親系統のデータを解析し、クラスター解析により、24nt siRNAの発現している領域を特定した。さらに、RNA-seq、WGBS、H3K9me2抗体を用いたChIP-seqの結果と比較した。24nt-siRNA cluster領域では、DNAメチル化レベルが、ゲノム全体の平均値よりも高くなることから、DNAメチル化との関連性が示唆された。24nt-siRNA clusterを近傍に持つ遺伝子の発現レベルに抑制傾向は見られなかった。24nt-siRNA 領域とH3K9me2とはほとんど関連性が見られなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QTL解析を実施、QTLを見出すことができた。また圃場試験も予定通り実施でき、QTL-seqを行うことができた。さらに、F2及びBC1F1集団の中から、植物サイズの異なる個体を用いたRNA-seqも実施した。その他にも、WGBS、small RNA-seq、ChIP-seqのデータ解析も進んでいることから、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
QTL解析は反復実験を実施し、QTL-seqとRNA-seqはデータ解析を終了させる。これらの結果を統合することで、雑種強勢関連領域の特定を行う計画である。 また、エピゲノム解析についても、完了させ、F1と両親でエピジェネティックな修飾状態が異なる遺伝子の特定を目指す。
|
Research Products
(12 results)