2016 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母を用いたトマト黄化えそウイルス逆遺伝学実験系の開発と増殖機構の解析
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15H05615
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
石橋 和大 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門 植物・微生物機能利用研究領域, 主任研究員 (20611742)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ウイルス / 酵母 / 宿主因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
TSWV S RNAの複製に重要な領域の絞り込みを進め、5'末端および3'末端で異なる長さの領域が複製に必須であることを明らかにした。 出芽酵母細胞内でTSWV S RNAを複製させる実験系を用いて、TSWVの複製に関与する宿主因子の探索を開始した。出芽酵母は5916個の遺伝子をもつと推測されているが、このうち各遺伝子が破壊された4956株からなるライブラリーを入手した。このライブラリーにTSWVの複製に必要なタンパク質およびRNAを発現するプラスミドを導入し、複製が起こらない変異体の取得するためのハイスループット実験系を構築した。この系を用いて約350株について一次スクリーニングを行い、このうち27系統を一次候補として選抜した。さらに条件を変えて二次スクリーニングを行い、二次候補として5系統を選抜した。次年度以降はさらに残りの遺伝子破壊株についてスクリーニングを進めるとともに、実際にこれらの候補遺伝子オルソログが植物におけるTSWVの増殖に関与しているかについて順次調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TSWV逆遺伝学実験系の構築に関しては困難が残る一方で、計画していたTSWVの複製に関与する宿主因子のスクリーニング実験系を構築することができ、実際に候補遺伝子が得られつつある。研究期間中にスクリーニングを完了させることを現実的な目標として定められるペースで進展しており、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きTSWVの複製が低下する出芽酵母変異株の一次スクリーニング、二次スクリーニングを行い、得られた候補遺伝子のオルソログについて植物体におけるウイルス増殖に関与しているかを調べる。
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