2017 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05636
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大田 浩 京都大学, 医学研究科, 助教 (50391892)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 始原生殖細胞 / ES細胞 / 増殖 / 分化 / 培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
始原生殖細胞(primordial germ cell; PGC)は精子および卵子の起源となる細胞であるが、試験管内での継続的な培養系が確立されておらず、研究を進める上で大きな障壁となっていた。近年、研究代表者らはES細胞やiPS細胞から機能的なPGC様細胞(PGC-like cell; PGCLC)を分化誘導することに成功した。さらに、研究代表者はPGCLCを用いたhigh-throughputケミカルライブラリースクリーニングを実施し、PGCLCの増殖を一定期間支持することができる化合物を見出している。本研究の目的は、これまでの実験系をさらに発展させることにより、PGCLCを試験管内で自在に増殖・分化させる技術の開発である。 平成29年度は昨年度から引き続き、ケミカルライブラリースクリーニングで見つかった化合物を用いて培養系の最適化を行い、また、新たな培養条件で増殖したPGCLCの性状解析をおこなった。その結果、新たな条件で培養したPGCLCは性決定以前の移動期PGCに相当する性質を有することが、移植実験、遺伝子発現解析等により明らかとなった。さらに、培養中のPGCLCを用いたライブセルイメージングを行い、細胞移動に関する実験系を確立しつつある。また、研究代表者が開発した培養系を用いて、試験管内で分化誘導実験を行ったところ、BMP2とretinoic acidが雌性生殖細胞への分化に必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PGCLCの増殖培養系のさらなる改善を見込んでいる。また、本研究計画で確立した培養系を用いて、試験管内で減数分裂を誘導することが可能な実験系を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きPGCLCの長期培養系の確立を試みるとともに、培養したPGCLCの性状解析を進める。また、分化系についても最適化を試みる予定である。
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