2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規骨髄ヒト化マウスを用いた正常及び悪性造血ニッチの解析
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15H05669
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
滝澤 仁 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘准教授 (10630866)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒト化マウス、造血幹細胞、骨髄ニッチ、白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常造血の源である造血幹細胞(HSC)または白血病の原因である白血病幹細胞(LSC)は、骨髄内の特別な微小環境(ニッチ)でのみ維持され機能する。遺伝子改変動物を用いた造血ニッチ研究に対し、実験モデルの欠如によりヒトHSC及びLSCニッチの細胞・分子特性は未だ明らかになっていない。 本研究では、発生組織工学技術を用いてヒト骨髄初代培養細胞よりヒト造血組織を作出し、HSCとニッチ細胞間恒常性維持機構の解明を目指す。さらに、HSCとニッチ細胞間相互作用の機能異常に起因した造血障害・腫瘍化を仮説に、骨髄ニッチ機能恒常性の破綻から造血器疾患に至る機序解明を目指す。 本年度は移植可能なヒト骨髄組織を用いたヒトHSCニッチ構築を行った。周辺連携病院より120以上の正常ヒト骨髄を採取し、ヒト骨髄微小環境を持つ機能的造血組織を作成した。また、ヒト臍帯血由来HSCを共移植し、ヒト造血組織がヒトHSCおよび造血機能を維持をいじできることを表現系および機能解析から示した。また、HSC機能及びHBO内でのニッチ細胞に対する空間的位置関係をイメージングにより評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常骨髄組織の解析は順調に進んでおり、平成28年度中の論文投稿を目指して準備を進めている。
白血病の原因である白血病幹細胞(LSC)がヒト造血組織内で維持されるか検討するため、白血病患者骨髄の採取も始めているが現在までに10サンプル程度しか集められていない。ヒト白血病骨髄組織の作成はおおむね順調に進んでいるが、今後の課題としてできるだけ多くの白血病骨髄サンプルを集める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
正常骨髄組織内の造血幹細胞局在を詳細に解決するために、イメージング技術の向上と遺伝学的なマーキングによる細胞種の同定が必要である。このために、共同研究先とディスカッションを重ね、研究推進にあたる。
白血病骨髄組織に関しては、上述のとおりサンプル採取のために連携病院ネットワークの拡大およびコミュニケーション効率化を目指していく。
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Research Products
(5 results)