2017 Fiscal Year Annual Research Report
Radiosensitization by mitochondrial ROS amplification
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15H05674
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康仁 北海道大学, 医学研究院, 講師 (90435561)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線 / 活性酸素 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、これまで明らかにした癌浸潤や接着斑形成と連動するミトコンドリア分布制御の分子メカニズムについて、さらに詳細な解析を行った。これにより、接着斑の構成要素であるILK(integrin-linked kinase)が、ミトコンドリア上のモーターアダプター蛋白質と相互作用し、微小管のマイナス端方向への輸送を担うダイニン・ダイナクチンとの結合を調節していることが明らかとなった。Arf6-AMAP1経路を阻害するとILKを含む接着斑の形成が阻害されるが、このときILKとミトコンドリア上のアダプターとの相互作用は変化しないことから、ILK自体がキナーゼとして働くことよりも、接着斑においてアダプターとして機能することが重要であると示唆された。また、proximity ligation assayにより、当該のミトコンドリア上のアダプターは主として細胞質中に局在する間にILKと相互作用することが示唆された。一方、ミトコンドリアの辺縁部への分布および活性酸素産生を阻害することによって浸潤能が低下することも確認された。 これらの結果から、がん細胞が盛んに運動・浸潤する際には、接着斑形成が促進されるとともに、ミトコンドリアの逆行性輸送が減少して運動先導端などの細胞辺縁部へのミトコンドリアの分布が促されること、辺縁部におけるミトコンドリアによる活性酸素産生は、がん浸潤を促進することが示唆された。また、この仕組みを破綻させてミトコンドリアの核周辺への集積を促すと、活性酸素増幅反応を引き起こして放射線への耐性が著しく減弱することが明らかとなった。以上の成果および関連する実験結果は論文に取りまとめ、学術雑誌への投稿または発表を完了している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)