2016 Fiscal Year Annual Research Report
統合的ストレス応答の制御によるNAFLDでの肝切除後肝再生障害の新規治療法の解明
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15H05678
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲葉 有香 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (20571970)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NAFLD / 統合的ストレス応答 / 肝再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)における肝再生障害は、肝切除術後合併症の発症と密接に関連する。代表者は、脂肪肝での肝再生障害に、タンパク翻訳因子eIF2αリン酸化、すなわち「統合的ストレス応答」が、主要な役割を果たす事、さらには、リン酸化eIF2αを脱リン酸化するGadd34が脂肪肝再生障害を改善することを見出している。脂肪肝において、統合的ストレス応答は、細胞増殖関連タンパクの翻訳抑制による細胞増殖障害のみならず、炎症誘導性転写因子の発現誘導による細胞死の増加を引き起こし、肝再生を障害する。本研究課題では、核酸医薬の進歩を視野に入れ、分子ノックダウンなどの分子特異的な機能阻害法を用いて、統合的ストレス応答を制御し、NAFLDでの肝再生障害の新規治療法としての有用性を明らかにすることを目的とする。 肝再生過程の統合的ストレス応答は、脂肪肝亢進に伴い増大する。また、発現亢進により肝障害を引き起こすことが知られている転写因子が、統合的ストレス応答増強に伴い増加する。本年度の研究では、脂肪肝亢進に伴い、脂肪肝再生過程におけるこれら転写因子の発現が増加することを見出した。脂肪肝再生過程では、中等度脂肪肝(肝細胞の30%に脂肪滴)ではアポトーシスが亢進し、高度脂肪肝(肝細胞の60%以上で脂肪滴)ではネクロプトーシス(制御されたネクローシス)が増強することで肝再生が障害されることを明らかにしている。そこで、これら転写因子の欠損による影響を検討した結果、正常肝・中等度脂肪肝では、差を認めなかったものの、高度脂肪肝では、異なる様式の細胞死を抑制することにより肝再生障害を改善することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪肝再生障害において、異なる様式の細胞死が誘導されるが、なかでも壊死巣の消失が重要であることを見出した。さらに、その分子メカニズムとして、脂肪肝の亢進に伴い増加する転写因子を介した、統合的ストレス応答の増加が重要であることを明らかにしており、現在までの進歩状況としては、概ね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は、脂肪肝再生過程で生じる壊死巣の消失が重要であることを明らかにした。本年度は、この壊死巣の誘導メカニズムとして、アポトーシスまたはネクロプトーシスのどちらに由来するかを明らかにする。さらに、脂肪肝再生過程で誘導される異なる様式の細胞死の選択メカニズムの検討も行う。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Dietary Mung Bean Protein Reduces Hepatic Steatosis, Fibrosis, and Inflammation in Male Mice with Diet-Induced, Nonalcoholic Fatty Liver Disease2017
Author(s)
H. Watanabe, Y. Inaba, K. Kimura, S. Asahara, Y. Kido, M. Matsumoto, T. Motoyama, N. Tachibana, S. Kaneko, M. Kohno, H. Inoue
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Journal Title
J Nutr
Volume: 1
Pages: 52-60
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] PDGFRβ Regulates Adipose Tissue Expansion and Glucose Metabolism via Vascular Remodeling in Diet-Induced Obesity2017
Author(s)
Y. Onogi, T. Wada, C. Kamiya, K. Inata, T. Matsuzawa, Y. Inaba, K. Kimura, H. Inoue, S. Yamamoto, Y. Ishii, D. Koya, H. Tsuneki, M. Sasahara, T. Sasaoka
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Journal Title
Diabetes
Volume: 4
Pages: 1008-1021
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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