2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05690
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 歩 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (20595011)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ケアの質指標 / 長期療養施設 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目である平成28年度は、平成27年度に実施した質問紙調査から得られた質指標データのベンチマークを実施するとともに、自動的にベンチマークが可能なウェブシステムを作成した。 1)1年目の調査によって検討され開発された質指標の値を用いて調査施設間のベンチマークを行い、その結果について調査対象施設へのフィードバックを行った。 2)自施設のデータを入力すると自動的にベンチマークが可能なウェブシステムを作成し、ホームページ上に公開した。このシステムは、調査に参加していない施設であっても自施設で保有している管理データを入力することで、医療療養病棟における平均値と比較した自施設の位置を把握することができるものである。医療療養病棟の管理者等に本研究への関心を持ってもらい、協力施設をリクルートすることを目的の一つにしている。現在、質指標の調整方法について確定できていないため、調整した質指標の値が算出される仕組みは組み込まれていない。質調整が可能なシステムへの修正が今後の課題である。 3)研究に協力している1施設において継続して実施されている、ケアの質改善活動の支援を行った。この施設における質改善活動は、月1回院内で実施される事例検討会を基本としている。事例検討会を通して、ケアスタッフが特定の患者へのケアを振り返り、ケアの改善の具体策を見出すともに、ケアスタッフの働きがいにつなげていくことを目指している。この活動への支援を継続し、来年度計画において活動の効果を検証していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画として、医療療養病棟を有する医療施設における質指標データとケアのプロセスとの関連の検討を挙げていたが、参加施設のリクルートが思うように進まず、質指標の導入・データ収集が困難であった。今年度は改めて参加施設のリクルートを実施し、質指標の導入とケアの質改善活動の評価を実施する。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年目の平成29年度は、医療療養病棟においてケアの質改善活動を行い、質指標データの変化を調査するとともに、質指標としての妥当性の評価を行う。ケアの質改善活動を行う施設のリクルートにおいては、無理なく実施可能な2施設を選定することとし、改善活動のための支援を丁寧に行う。 【質指標の導入・データ収集】 1)参加施設のリクルート:5施設を目標に参加施設のリクルートを行う。/2)質指標調査・プロセス評価:参加施設において、管理者・スタッフへの質問紙調査およびカルテ調査により、質指標・ケアプロセスに関するデータ収集を行う。/3)施設におけるケアの改善活動の実施:参加施設のうち2施設において、ケアの改善活動を実施する。活動内容は各施設のニーズに合わせて決定し、研究者は適宜支援を行う。上記2)のデータ収集を3ヶ月ごとに実施し、改善活動による質指標の変化を観察する。 【質指標の評価】 施設スタッフに対し、質指標の妥当性・活用可能性およびケアの質評価への認識・知識を問う質問紙調査を実施する。さらに各職種の代表者を集めたグループインタビューを実施し、より具体的な改善点について聴取し、質指標の修正を検討する。質指標導入前後のスタッフの認識・知識の比較を行い、質指標導入によるスタッフへの効果を評価する。
|
Research Products
(1 results)