2016 Fiscal Year Annual Research Report
拡張テレスコーブアレイ実験-最高エネルギー宇宙線で解明する近傍極限宇宙
Project/Area Number |
15H05693
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐川 宏行 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80178590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻尾 彰一 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20242258)
野中 敏幸 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (30506754)
常定 芳基 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50401526)
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Project Period (FY) |
2015 – 2019
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Keywords | 宇宙線物理学 / 最高エネルギー宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費の研究者等が参加するテレスコープアレイ(TA)グループは、5年間の最高エネルギー宇宙線の観測で、その到来方向が特定の領域に集中するホットスポットを捉えた。本研究では、最高エネルギー宇宙線に対する地表検出器(SD)の有効観測面積をTAの4倍に拡張する(TAx4計画)。これにより、高い統計精度で、ホットスポットを含む異方性の精査観測を行い、最高エネルギー宇宙線を生む近傍超銀河宇宙の極限現象との関わりを研究し、その発生・加速・伝播機構を解明することを目的とする。 TA SDは、507台のプラスチックシンチレータ検出器を1.2km間隔で設置し、約700k㎡をカバーしている。本研究では、500台のシンチレータ検出器を2.08km間隔で設置して、TA SDと合わせて約3,000k㎡をカバーする。また、広範囲に展開するSDのデータ収集は、長距離無線通信ネットワークを用いて行う。 平成28年度には73台のシンチレータ検出器を山梨県にある宇宙線研究所明野観測所で組立を行い、米国ユタ州の宇宙線センターに輸送した。宇宙線センターにおいて、シンチレータ検出器の性能試験および地表検出器システムとしての組み立てを行った。 TAで使用している無線LANモデムが製造中になったために、新しい無線LANモデムを使用するのに伴い、DAQシステムに変更があった。DAQ試験のために、現在設置可能なサイトにテスト的に設置を行い、DAQ試験を行っている最中である。 TAで収集したデータの解析結果およびTAx4の進捗状況に関しては、夏の宇宙線国際会議等のいくつかの国際・国内会議で発表がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TAで使用していた構成品の中で販売中止になった部品(無線LANモデム、その他回路部品)および新規使用品(光電子増倍管)に関連して、ある程度の量を購入して長期間安定稼働する状況を確認しつつ地表検出器の組み立てを行っている。特に無線LAN用のモデムが新しくなったことに伴い、DAQシステムの変更があった。検出器のテスト設置でシステムとしての安定稼働の確認を行いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年6月には、TAx4の地表検出器の設置予定箇所すべてに赴いて、無線通信塔への見通しを含めた設置条件を確認し、設置の位置決めを行う。TAx4サイトの環境調査を行い、パブリックコメントの過程を経た後に、米国の土地管理局からの最終設置許可が下りる予定である。その後に通信塔の建設を行う。平成29年8月、9月にシンチレータ検出器の追加組み立てを山梨県にある宇宙線研究所明野観測所で行う。日本で組み立てたシンチレータ検出器を米国ユタ州の宇宙線センターに輸送する。宇宙線センターにおいてシンチレータ検出器の性能検査を行い、地表検出器システムとしてくみ上げる。テスト設置した検出器の安定稼働を確認した後に、ヘリコプターを用いて、TAx4サイトに地表検出器を設置し、調整を行い、地表検出器アレイとしてのデータ収集を行う。
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Research Products
(31 results)
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[Presentation] The TAx4 experiment2016
Author(s)
Eiji Kido
Organizer
UHECR2016, 2016 International Conference on Ultra-High Energy Cosmic Rays
Place of Presentation
Kyoto Research park (Kyoto, Kyoto)
Year and Date
2016-10-14
Int'l Joint Research
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[Presentation] TA ANISOTROPY SUMMARY2016
Author(s)
Peter Tinyakov
Organizer
UHECR2016, 2016 International Conference on Ultra-High Energy Cosmic Rays
Place of Presentation
Kyoto Research Park (Kyoto, Kyoto)
Year and Date
2016-10-12
Int'l Joint Research
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[Presentation] TA Spectrum Summary2016
Author(s)
Dmitri Ivanov
Organizer
UHECR2016, 2016 International Conference on Ultra-High Energy Cosmic Rays
Place of Presentation
Kyoto Research Park (Kyoto, Kyoto)
Year and Date
2016-10-11
Int'l Joint Research
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