2018 Fiscal Year Annual Research Report
Therapeutic Drug Discovery and Elucidation of RNA Disease Pathogenesis by Use of CRISPR-Based Disease iPS Cells and Animal Models
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15H05721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 正敏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10208423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (00303842)
奥野 友紀子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00372524)
飯田 慶 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00387961)
大江 賢治 福岡大学, 薬学部, 准教授 (30419527)
細谷 孝充 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60273124)
武内 章英 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90436618)
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Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子性疾患 / スプライシング制御 / ポストゲノム創薬 / スプライシング介入ルール / RNA病 / モデルトランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①スプライシング操作化合物TG003およびRECTASのスプライシング介入ルールの解明、② スプライシング操作により治療可能な遺伝性疾患に適応できる化合物の予測と合成展開、③ CRISPR/Cas9法等で作製した疾患モデルiPS細胞やモデル動物による化合物の作用機序解明と有用性の実証を行い、ポストゲノム治療薬を創製する新しいケミカルバイオロジー分野の創出を目指している。本年度は、スプライシング変動によりGFP/RFPの発現が切り替わるdual reporterシステム(SPREADD)を用いた実験から、TG003が深部イントロン変異を有するNEMO異常症患者の偽エクソン発現を抑制する効果を持つことを明らかにし、患者iPS細胞を病態モデルとしたTNFα応答機能障害がTG003処理により改善することを見出し報告した(2019 J Clin Invest.)。また同様に深部イントロン変異により偽エクソンが発現するV型嚢胞性線維症に対してもTG003が偽エクソンの発現を抑制することを見出し、TG003からの化合物展開により、患者iPS細胞で原因遺伝子CFTRの発現回復効果を有する治療薬候補化合物の取得に成功した(投稿準備中)。RECTASについても、家族性自律神経異常症患者の線維芽細胞を用いたmRNA-seq解析と生化学的解析から作用メカニズムを解明し、家族性自律神経異常症モデルマウスと患者iPS細胞でもRECTASがスプライシングを正常化する作用のあることを確認できた(投稿準備中)。RECTASは偽エクソンによる心ファブリー病や、QT延長症候群にも効果があることが見出されたため、標的遺伝子を組み込んだSPREADD により最適化合物を検索するとともに、CRISPR/Cas9法によりモデル動物・iPS細胞を使った評価系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1. TG003が治療効果を持ちうる遺伝子疾患として、NEMO異常を見出すなど、スプライシング操作化合物の標的となりうる疾患が複数、見つかってきている。 2. スプライシング操作化合物TG003およびその類縁体を用いた偽エクソンのスキッピングについて、化合物が阻害するCLKファミリーメンバーと、関連するSRタンパク質、スプライシング変動が生じるエクソンについて統合的な理解が得られつつある。 3. 平成31年度末までに到達予定であった、iPS細胞やモデルマウスを用いた解析が進展し、それぞれの系でスプライシング操作化合物の評価結果が得られつつある。また、iPS細胞モデルの解析例としてNEMO異常症におけるTG003の効果を報告した。 4. スプライシング操作化合物について、事業参加者らの研究の蓄積により500を超える類縁化合物コレクションを創製保有している。本コレクションとSPREADDの活用により、V型嚢胞性線維症治療薬候補化合物の取得に成功した。本事例、及びNEMO異常症の事例は、FD治療候補薬RECTASと合わせ、今後、化合物によるスプライシング変動ルール解明というケミカルバイオロジー的手法が効率的なスプライシング異常疾患治療薬創製法となることを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
5か年計画の最終年度となる2019年度は、研究の柱である①スプライシング操作化合物TG003およびRECTASのスプライシング介入ルールの解明、② スプライシング操作により治療可能な遺伝性疾患に適応できる化合物の予測と合成展開、③ CRISPR/Cas9法等で作製した疾患モデルiPS細胞やモデル動物をによる化合物の作用機序解明と有用性の実証、のそれぞれについて成果のとりまとめを進め、ポストゲノム治療薬を創製する新しいケミカルバイオロジー分野の確立を目指す。 ①については2018年度までにTG003およびRECTASについては2018年度までにmRNA-seqデータに基づくスプライシング操作標的エクソンの特徴の記述が終了している。これらの成果を統合し、スプライシング介入ルールの解明および、治療可能な遺伝性疾患に適応できる化合物の予測(②)を完了させる。遺伝性疾患ごとの化合物の合成展開については嚢胞性線維症の原因となる偽エクソンのスキッピングに対して効果があることを見出すことのできたTG003の周辺化合物につて評価を進める。③についてはCRISPR/Cas9法によりモデル動物・iPS細胞を使った評価系の構築が完了した偽エクソンによる心ファブリー病や、QT延長症候群の系について化合物の評価等を進め、モデル動物・iPS細胞を用いてポストゲノム創薬を進めるというコンセプトの確立を目指す。
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Research Products
(67 results)
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[Journal Article] Arid1a is essential for intestinal stem cells through Sox9 regulation2019
Author(s)
Hiramatsu Y, Fukuda A, Ogawa S, Goto N, Ikuta K, Tsuda M, Matsumoto Y, Kimura Y, Yoshioka T, Takada Y, Maruno T, Hanyu Y, Tsuruyama T, Wang Z, Akiyama H, Takaishi S, Miyoshi H, Taketo MM, Chiba T, Seno H.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 116
Pages: 1704~1713
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Rescue of recurrent deep intronic mutation underlying cell type?dependent quantitative NEMO deficiency2018
Author(s)
4.Boisson B, Honda Y, Ajiro M, Bustamante J, Bendavid M, Gennery AR, Kawasaki Y, Ichishima J, Osawa M, Nihira H, Shiba T, Tanaka T, Chrabieh M, Bigio B, Hur H, Itan Y, Liang Y, Okada S, Izawa K, Nishikomori R, Ohara O, Heike T, Abel L, Puel A, Saito MK, Casanova JL, Hagiwara M, Yasumi T.
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Journal Title
Journal of Clinical Investigation
Volume: 129
Pages: 583~597
DOI
Peer Reviewed
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