2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H05739
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 京都大学, 理学研究科, 教授 (60229078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 孝男 京都大学, 理学研究科, 教授 (00182444)
小沢 登高 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60323466)
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
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Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2020-03-31
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Keywords | 離散群 / 双曲幾何 / 写像類群 / 自由群の外部自己同型群 / 擬ツリー / 擬準同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は二つあり、一つ目は進捗が著しい幾何学的群論の分野において、その更なる深化につながる成果を出すことと広範な範囲への応用を見出すことである。二つ目は、研究活動の結果として、京都大学が果たす幾何学的群論における国際的な研究センターとして役割を発展させ、次世代研究者の育成に貢献することである。具体的な学術上の研究対象については、主なものとして次の四つをあげた。1. 写像類群と自由群の外部自己同型群のヒルベルト空間やバナッハ空間への作用。2. 自由群の外部自己同型群の漸近次元。3. リー群の格子部分群の擬ツリーへの作用。4. 写像類群や自由群の外部自己同型群をターゲットとする擬準同型。
今年度の主要な成果を述べる。1. 代表者は共同研究者であるBestvine・Brombergとの研究を推し進めた離散群の擬ツリーへの群作用の理論を応用し、双曲群の群作用の新しい構成法を発見した。2. コンピュータを援用した研究(離散群の「性質T」に関するもの)について、特定研究員の蒲谷との共同研究で代表者は大きな進捗を得た。3. 代表者はKapovichとの共同研究で、非可換群をターゲットにする擬準同型の研究で決定的な結果を得た。
また、次のような国際研究プログラムの主催・参加をした。H28 京都大学数理解析研究所・プロジェクト研究「微分幾何学と幾何解析」: 山口と藤原らが組織委員。H28 アメリカ・数理科学研究所(MSRI)セメスタープログラム Geometric group theory :代表者が参加し、国際研究集会を組織。 代表者と分担者の小澤がニュートン研究所における研究プログラムに参加し、上で述べたコンピュータを援用した研究を含め研究活動を行う。また代表者はBreuillardと群の増大度について共同研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究調書に記載された研究目的に関連して、いくつかの良い研究成果を得ている。また、国際研究集会の主催、国際研究プログラムの運営・参加も計画通り実行している。また日本における若手研究者の人材育成に貢献することを研究活動の波及効果として目的としているが、それも達成されている。雇用した研究員はよい研究成果をあげ、研究員の任期終了後、研究職をえて研究者としてのキャリアを進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
学術上は順調なので、当初の計画通りに進める。毎年、特定研究員を二名程度採用する。 一方、これまでに分かったこととして、適切な特定研究員の雇用は容易ではなく、適任者が見つからず費用を一部繰り越した。課題の推進に貢献できる研究員の確保には継続的に取り組む。
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Research Products
(23 results)