2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H05739
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 京都大学, 理学研究科, 教授 (60229078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 孝男 京都大学, 理学研究科, 教授 (00182444)
小沢 登高 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60323466)
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
|
Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2020-03-31
|
Keywords | 写像類群 / 擬ツリー / property (T) / C*-algebra / metric measure geometry / collapsing / 増大度 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者と分担者の小澤は一連の研究で、有限生成群に関する「カズダンの性質T」と呼ばれる性質についてよい結果を得ている。「性質T」はリー群、離散群の研究において重要な性質である。特筆すべきものとして、小沢は他の研究者との共同研究で、ランク5の自由群F5の外部自己同型群Aut(F5)が性質Tを持つことを、コンピュータを使って立証した。一般に自由群FのAut(F)の性質Tは、多くの研究者が興味を持っていた問題で、F5についてその決着をつけたことは国際的に極めて高く評価される。この研究に誘発され、その後他の研究者が5以上のnについて、Aut(Fn)が性質Tを持つことを示した。 代表者はBreuillardとの共同研究で、群の指数増大性について統一的な扱いを可能にする理論を展開した。その応用の一つとして、リーマン多様体の基本群の指数増大性について知られていた、Besson-Courtois-Gallotによる定理について簡明な証明を与えた。代表者はBestvina-Brombergとの共同研究で、擬ツリーへの群作用の一般論を展開していたが、その一つとして擬ツリーの有限積への群作用に関するよい定理を得て、それを含めてICM2018において招待講演した。 分担者の山口は境界付き多様体について優れた定理を得た。また代表者と分担者の塩谷は、非正曲率多様体の研究について中間的な結果を得ていて、今後も研究を継続する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者は擬ツリーの群作用についての理論を、共同研究者のBestvina-Brombergとともに発展させ顕著な応用を得ている。また、Breuillardとの共同研究を行い、群作用をもつ空間の幾何を使い群の増大度などについて総合的な研究を行いいくつかの重要な結果を得ている。 分担者の小沢は、群のproperty (T)に関する自分自身の定理を使い、コンピュータを援用した研究を行い、自由群の自己同型群について画期的な成果を得た。分担者の山口は多様体の崩壊理論を境界付きの場合にまで拡張し高い評価を得ている。分担者の塩谷は、metric measure spaceの理論を使い、isoperimetric rigidityについての顕著な結果を得ている。 代表者はInternational Congress of Mathematicians (ICM 2018、ブラジル)のトポロジーセクションで研究成果について招待講演を行った。分担者の山口は日本数学会(2018年3月)において多様体の崩壊理論について総合講演を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究体制について代表者と分担者は継続する。これまで毎年、研究員を1-2名雇用してきたが、それも続ける。 今後は、成果発表にも力を入れる。適切な国際研究集会で研究成果の講演をする。 学術的な内容も、これまでの研究の方向性を継続する。すなわち、群の擬ツリーへの作用、離散群の性質Tのコンピュータを援用した研究、測度距離空間の幾何学と解析、境界付き、または高次元多様体の崩壊理論などである。
|
Research Products
(32 results)